何のために活用するの?|農業用ドローンってなに?Vol.1
皆様こんにちは!ノウキナビコミュニケーションセンターの佐藤です。
先日ノウキナビブログで次世代農業「スマート農業」って?という記事を書きました。その記事の中で農業用ドローンについて、さらっと触れましたが「実際、農業用ドローンでどうなの?」と思い調べてみました。お伝えしたいことがたくさんありましたので、数回に分けて記事を書きたいと思います。毎月の投稿をお楽しみに!!
農業用ドローンとは?
「ドローン」よく見たり聞くようになりました。私たちが良く知っているドローンの活用方法は写真やビデオの撮影ですよね。同じドローンでも、農業用ドローンはスマート農業の一つとして導入が進んでいます。ぱっと思いつくのは農薬や肥料の散布ですが、他にも様々な技術が研究開発されていいます。
何のために必要なの?
ズバリ!労働力の省力化です。日本の農業は農家さんの高齢化が進み、後継者不足や労働力不足に陥っています。それを解決するためにスマート農業の導入が盛んに進んでいます。
実際に導入されているものとまだ開発段階のものとありますが、農業用ドローンの主な仕事は7つ!
*農薬散布・・・液状、粒状農薬の面散布またはスポット散布
*肥料散布・・・液状、粒状肥料の散布
*播種・・・種子の散播種
*受粉・・・花粉を混合した溶液を散布
*農作物の運搬・・・集荷場までの農作物の運搬
*圃場センシング・・・農作物の生育や病害虫発生の可視化
*鳥獣被害対策・・・鳥獣生息状況等の調査・分析や監視
一つずつ詳しく掘り下げます!
農薬散布
主として導入されている役割で液状農薬を散布します。農業用ドローンが開発されるまで無人散布は無人ヘリで行われていた作業ですが、平成28年から農業用ドローンが導入されました。無人ヘリに比べ小型で安価、導入コストやお手入れも簡単です。また、センシング技術と組み合わせることで病害虫の発生状況を圃場内で精密に把握する技術が開発され、この技術を用いてピンポイント散布が開発されました。これにより効率的な農薬散布ができ、防除や農作物の収穫量・品質の向上が期待されています。
肥料散布
従来は衛星画像とブロードキャスターを組み合わせた局所施肥技術が用いられていました。でも衛星写真の場合、そこまではっきり確認できない・・・頻繁に確認できるものでもない・・・という問題点があります。そこで農業用ドローンを用い、より精密で手軽に確認できる技術が開発されました。中山間地域の作業性が悪いような圃場での作業効率の向上や、労働力負担の軽減が期待されています。
播種
直播による育苗や苗の運搬をするものです。そこに関わる労力コストの削減他、湛水直播機での作業が難しい中山間地域において短時間での作業が期待されています。
受粉
花粉を混ぜた溶液を樹の上から散布するものです。りんごや梨などの自家不和合性が強い品種において、安定した生産のために蜂や人口受粉による作業が欠かせませんが、時間と労力がとてもかかります。それをドローンで行い、省力化する研究開発が進んでいます。
※自家不和合性・・・植物が自家受粉しにくい性質のこと
農作物の運搬
農作物を地上ではなく、空で運搬するものです。集荷場への運搬は体力が必要ですし、運搬工程には必ず作業者が必要になります。これをドローンが行えるように研究開発されています。急斜面に畑のある茶畑や柑橘類などでの使用に期待されています。
話は逸れますが、とあるインターネットショッピングサイトが荷物の運搬をドローンで行えるように開発を進めていとのことです。農作物とネットショッピングしたものが空を飛ぶ日かすぐそこまで来ています。
圃場センシング
圃場の問題を簡単に可視化できるものです。カメラを搭載したドローンが圃場を撮影し、画像分析をします。それにより育成状況や病害虫の発生が手軽に可視化できるように研究開発されています。問題のある場所へピンポイントで防除や追肥ができることで、品質や収穫量向上につながることが期待されています。
鳥獣被害対策
圃場センシングと近い役割です。赤外線カメラを搭載したドローンが撮影をした写真をリアルタイムで通信して圃場の様子を簡単に確認したり、見回りをすることで作業者の負担軽減が期待されています。
ドローンを活用する効果って?
ドローンを活用することで農薬や肥料散布が省力化できることはもちろん、従来人間の目や手で確認できなかった初期段階の生育状況の変化や病害虫の発生状況が分かるようになります。それにより、先手先手の対策を実施することができ、迅速に小規模な防除や施肥を行うことができるようになります。
今回は現在実施、研究開発が進んでいる7つの役割についてご紹介しました。次回は具体的なドローン飛行に関する注意点について書きたいと思います。