自分で交換してみよう!コンバインのゴムクローラー
コンバインは、稲作農家にとってなくてはならない農機具です。そのため、コンバインが故障すると、農作業に遅れが生じてしまいます。もし農作業中にコンバインのクローラーが故障したら、自分で交換できるのでしょうか。今回は、ゴムクローラーを自分で交換するための準備と、交換方法について見ていきましょう。
クローラーを交換するための準備
ではまず、クローラーを交換する準備から始めましょう。
*クローラーとは
クローラーとは、コンバインのキャタピラーの走行部を持つ機械のことです。そのため、キャタピラーとも呼ばれています。キャタピラーの起動輪がエンジンの動力を受けて、コンバインを前進させたり後退させたりします。タイヤと違って、ぬかるんだり凸凹した場所でも走行できるのが、クローラーのメリットです。クローラーには、ゴムクローラーと鉄クローラーがあります。農業機械にはゴムクローラーが主流ですが、ゴムクローラーは材質が劣化しやすいので、ある程度の期間使用すると交換が必要になります。舗装道路を走行させると、摩耗してさらに劣化が早まるので交換時期も早まります。また、コンバインを左回りさせることが多ければ、右側のクローラーが傷みやすく、右回りなら左側のクローラーが傷みやすくなります。クローラーが傷むと、クローラー全体に緩みが出たり、ひび割れや摩耗により、芯金が露出したりするようになるので早めの交換が必要です。もし、忙しい稲刈りの最中に、コンバインが動かなくなると大変なので、日頃からこまめに走行部のクローラーを点検しましょう。目視や触ってみて劣化が見られれば、早めの交換が必要です。
*サイズを計測する
クローラーを自分で交換するには、まず、使用しているコンバインのクローラーのサイズを正確に把握する必要があります。クローラーのサイズは、クローラーの幅、ピッチの長さ、コマ数の3つがわかっている必要がありますが、これらはクローラーの内側に記入してあるので確認しましょう。一般的に「クローラー幅×ピッチ長×コマ数」、または「クローラー幅×コマ数×ピッチ長」の順で表記してあります。しかし、クローラーの状態によっては、表記が読み取れない場合も多いので、クローラーの測り方も知っておく必要があります。クローラーの幅は、クローラーの端から端までを物差しなどを使って測りましょう。ピッチは、クローラーの内側の芯金と芯金の間の距離を測ります。コマ数は、クローラーの内側の芯金の数です。また、クローラーによっては芯金のサイズも必要ですが、芯金のサイズにはNタイプとWタイプがあります。Nタイプは40~45mm、Wタイプは50~55mmが標準ですが、摩耗によりサイズが変わっていることがあるので実測してみましょう。
*必要な工具を揃える
交換するクローラーのサイズがわかったら、実際に交換するための工具を揃えましょう。クローラーを交換するには、油圧ジャッキや馬ジャッキスタンド、レンチ、ハンマー、カナテコ、バール、角材などが必要になります。油圧ジャッキは、クローラーを持ち上げるのに使用します。ただし、小型のコンバインは、機体の下にあまり空間がないので、大型の油圧ジャッキは向いていません。馬ジャッキスタンドは3つ用意し、バールは2本用意しておきましょう。
コンバインのクローラーを自分で交換する方法
サイズがわかり、交換の準備が整ったら、実際にクローラーを交換していきます。ここでは、一般的なコンバインのクローラーを交換する手順を、ご紹介します。あくまでも標準的な交換方法なので、実際の交換方法については、機種ごとの説明書等で確認してください。また、クローラーの交換は、油圧ジャッキを使ってコンバインの本体を持ち上げて行いますが、これは危険を伴う作業ですから、注意しながら行いましょう。作業を行う際は、必ずコンクリートなどの硬い場所で行うことをおすすめします。地面が柔らかかったり、傾いた場所で行うのは危険です。また、コンバインの種類によっては、特殊な工具が必要な場合もあります。交換作業は必ずエンジンを切ってから、2名以上で行うようにしましょう。クローラーの交換には、ある程度専門知識と経験が必要なので、素人の方はあまり無理をしないで、業者に依頼することをおすすめします。
*交換方法
自動水平機能がついた機種の場合は、車高を高くしてから作業に入ります。油圧ジャッキで本体を支えたら、車体を下げ操作して、芯金が抜ける高さに合わせましょう。油圧ジャッキは、機体のフレーム部分につけて持ち上げていきます。フレームではなく、デフケース部に油圧ジャッキを当てる場合は、木材や緩衝材を当てて、持ち上げるようにしましょう。機体が水平になるように全体を上げたら、アイドラー後方のアイドラー調整ボルトを緩めます。緩める際は、ロックピンや緩み止めボルトを外して緩めてください。完全にゴムクローラーがたるんだら、クローラー内部の芯金を外します。クローラーはかなり重いので、十分注意しながら外しましょう。クローラーを外したら、内部に破損や摩耗がないか確認してください。破損や摩耗により、部品の交換が必要ならこの場で交換するか、あとで業者に交換を依頼しましょう。クローラーを外したあとに泥が付着して入れば、洗車してきれいにしてください。
次に、交換用のクローラーを、これまでと逆の手順で手取り付けていけば、クローラーの交換は完了です。クローラーを交換したら、アイドラーを調整してクローラーを張らせていきましょう。クローラーをしっかり張り、アイドラーに遊びがないようにして、ボルトを締めて固定します。張り調整の目安としては、中央の下部ローラーとゴムクローラーの接着面が指2本分ほど空いている状態です。クローラーを交換したら少し走行させてみて、不具合がないことを確認しましょう。素材がゴムですので、交換初期からは多少伸び縮みする可能性があります。そのため、特に交換したばかりの頃は、張りの調整もこまめにすることでコンバイン自体の寿命の延びますよ。
クローラーの定期点検の手順
交換が終わってからも、コンバインを長く大切に使っていくために、定期的なクローラーの点検が大切です。クローラーの定期点検は、以下の手順で行います。
*交換のタイミング
まずは、交換のタイミングの目安を見ていきましょう。
コンバインのクローラーは、目安約5年で交換することになっています。クローラーのゴムにひび割れやゴム山の摩耗、ワイヤーが露出するといった状態になったら交換すべきでしょう。このような状態になっても、交換しないで使い続けていると、忙しい稲刈り時期に、クローラーが動かなくなるといった事態になりかねません。これでは農作業に支障が出ますので、クローラーに上記のような症状が出たら、すぐに先述した方法を参考に交換するようにしましょう。また、農作業中にクローラーに不具合が出ると、最悪の場合コンバインが自走できなくなり、田んぼからコンバインを出すために多額の費用がかかることになってしまいます。
*クローラーの点検手順
・準備
点検調整するには、コンバインのミッション下部とシャーシの後方(左右両方)の2か所を、同時にジャッキアップしてクローラーを浮かせてください。この際、ジャッキの座が燃料タンクに当たらないように、注意が必要です。ジャッキアップする際は、硬くて平らな地面の上で行いましょう。使用するジャッキは、2トン以上の容量のあるものが望ましいです。ミッション下部のジャッキアップは、ジャッキとミッションの間に、木片などの緩衝材をはさんで行ってください。木片を当てないと、ミッションが破損するおそれがあるので注意しましょう。
・点検調節
クローラーを支える可動転輪を持ち上げ、クローラーから離します。転輪とクローラーの隙間が8~13mmあることを確認しましょう。ただし、こちらの数値は目安ですので、正しくは取扱説明書に記載されている数値を基準にしてください。調節ボルトを回してクローラーのゆるみを調節します。調節ボルトを右に回すとクローラーがゆるみ、左に回すと張るので、ちょうど良い張り具合に調整しましょう。調節ボルトが固くて回らなければ、グリスを塗ると軽く回るようになります。
クローラー以外で破損・摩耗の起きやすい部分
コンバインのクローラー以外にも、使っているうちに破損したり、摩耗したりして交換が必要になる箇所があります。
*脱穀部:ワラ切り刃
ワラ切り刃は、コンバインで稲を刈り取る際に、ワラを切るための刃です。ワラ切り刃も、使っているうちに刃こぼれしたり摩耗したりして、切れ味が悪くなるので定期的に交換が必要です。ワラ切り刃が切れなくなると、コンバインで刈り取ったあとのワラが細断されず、大量のワラがこぎ室内に残留してしまいます。ワラ切り刃は、200時間の利用時間を目安に交換するようにしましょう。
*刈取部:刈刃
刈刃は、収穫時期に稲や麦を株元から切取るための刃です。同じく切れ味が悪くなることで刈り残しが多くなり、作業効率が低下してしまいます。また、刈り取り部の詰まりの原因にもなるため、300時間の使用時間を目安に交換が必要です。稲株の間隔の300~330mmにあたる位置にある刃は特に摩耗しやすいので、点検時には重点的にチェックしましょう。
まとめ
農業機械で使われるコンバインはゴム製のものが主流です。走行部にあたるため、キャタピラーとも呼ばれます。車輪と違って不安定な場所でも自由に走行できるので、土壌がゆるい田んぼで稲刈りを行うコンバインに向いています。クローラーは、5年くらいで破損したり摩耗したりして交換が必要になります。使い方によっては、5年たたなくても交換が必要な場合もあるので、クローラーを目視したり触ったりして、劣化が進んでいれば早めに交換しましょう。クローラーの交換や修理は自分で行うことも可能ですが、できれば専門業者に依頼したほうが安心です。クローラーの交換や修理が必要になったら、ノウキナビを利用してはいかがでしょうか。ノウキナビではコンバインの修理のほか、買取や部品を取り寄せるサービスも行っています。クローラーの交換や修理を自分で行って、もし不具合があると農作業に影響しますので、コンバインのクローラー交換を検討中の方は、ぜひノウキナビまでご相談ください。
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