収穫した米に赤米が混入でお困りの方!雑草イネ対策しましょう!
出典:農研機構(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構)「雑草イネまん延防止マニュアルver.2」
こんにちは。ノウキナビ事務局 市川です。
お盆も過ぎ、長野県東御市周辺の農家さんでは、お米やくだものの収量の話で持ちきりの時期ですが、皆様の地域ではいかがでしょうか?
さて皆様今、長野県で増えている「雑草イネ」のことはご存知でしょうか?
特に直播栽培している田んぼで問題になっているのですが、玄米が赤っぽい色をしており、古代米の「赤米」とは違い、水田では栽培イネと見かけがつきにくく、収穫米に混ざってしまうため、お米の等級を下げる原因になり、実ると直ぐに脱落することや、水稲除草剤では防除できないというやっかいな「雑草」のことです。
収穫した玄米に赤っぽい色がついたものが入っているのを見つけたら、「雑穀イネ」かもしれません。放おって置くとまん延する為、早期の対策が肝要です!
そこで今回は、雑草イネのまん延の防止方法を、農研機構(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構)さんが発表している「雑草イネまん延防止マニュアルVer.2」からご紹介します。
1.発見ポイント
出典:農研機構(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構)「雑草イネまん延防止マニュアルver.2」
出穂すると分かるものや、全く見分けがつかないものもあるも特徴ですね。
種類によって確認する方法は様々。色々な雑草イネがあることを認識していることが大切のようです。
2.発見したら…徹底的な防除をしなければいけない理由
出典:農研機構(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構)「雑草イネまん延防止マニュアルver.2」
雑草イネの早期発見が遅れると3〜4年でまん延することがあり、毎年99.9%の除草で効果的に防除できていることが見受けられます。
3.防除には、徹底的に穂を落とさないようにすること!
雑草イネを徹底的に取り除いて、新しい穂を落とさないようにすれば、雑草イネを田んぼからなくすことができます!
4.徹底的に穂を落とさない、広げない為に
雑草イネを見つけたら
1.「すぐに」株ごと抜き取る
出典:農研機構(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構)「雑草イネまん延防止マニュアルver.2」
雑草イネがまん延する原因の1つは籾の落ちやすさにあるため、出穂して2週間以内に抜き取ることがまん延を防ぐポイントです。
・穂を刈り取る場合は、遅れ穂に注意!
・定期的に行いましょう
・抜き取った雑草イネは田んぼの周りに放置しないように。出来れば焼却処分しましょう。
・雑草イネを管理している他の田んぼも確認しましよう。
2.機械作業は雑草イネが生えていない田んぼからする
雑草イネの種が田んぼの土と一緒に機械についてしまうため、他の田んぼに雑草イネが侵入することがあります。雑草イネが発見されなかった田んぼから作業するように注意しましょう。作業時の服や靴に付着するので注意しましょう。
3.雑草イネの種が田んぼに落ちてしまったら田起こししない
出典:農研機構(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構)「雑草イネまん延防止マニュアルver.2」
収穫後の田起こしをやめて、種を地表面に出したままにすると、鳥が食べたり、冬の厳しい寒さで種が死んでしまいます。
4.出荷するお米に混ざらないようにするには
雑草イネがないことを確認した田んぼと、確認していない田んぼの収穫物は混ぜないようにしましょう。
・収穫物に赤いお米を発見したら…色彩選別機で取り除きましょう
5.雑草イネを発見した田んぼ…翌年は
出典:農研機構(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構)「雑草イネまん延防止マニュアルver.2」
・移植栽培をし、手とり除草及び有効除草剤を使用する
・大豆や野菜などの畑作物栽培をして、イネ科除草剤で徹底的に防除する
という方法が推奨されています。
6.さいごに
コンバインで収穫後、農協などへ持参してしまう場合は、玄米を見る機会がない…など発見も遅くなりますよね。「赤い米が混入していた」と周りで聞くようになりましたら、一度収穫したお米を玄米にして確認してみるのも早期発見のポイントなのではないかと思います。
詳しく知りたい方は是非マニュアルをご一読ください。総合対策チェックリストや図解なども有り、とても分かりやすくまとめていらっしゃるのでお勧めです!
■農研機構(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構)
http://www.naro.affrc.go.jp/index.html
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