枇杷(びわ)は何科かご存知ですか?
枇杷といえば美味しい果物であるその実も、民間療法ではさまざまな使われ方をする葉も、皆さんご存知だと思います。また首都圏では千葉でもたくさん栽培されているので、枇杷の実がなっている様子をご存知の方も多いのではないでしょうか。
ではその枇杷が何科かご存知でしょうか。
実はバラ科なんです。
バラ科の果物はとてもたくさんあり、枇杷の他にもりんごや梨、桃、あんずもバラ科です。枇杷のお尻と、りんごや梨のお尻をよく見ると、とっても似ています。
さくらもバラ科ですし、アーモンドもバラ科です。アーモンドの花はさくらによく似ています。
バラ科のアレルギーを持っていらっしゃる方は、思いがけない果物がバラ科だったために知らずに苦労されることがあるそうです。信州の特産のくだものにはバラ科が多いので、長野県民でバラアレルギーを持っている方は誘惑が多くて大変です。
バラ科の花は似たものが多いのですが、葉は花ほどは似ていません。枇杷の葉は細長くて大きく、生薬として古くから知られています。
「辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)」という漢方処方にも配合され、鼻づまりの解消や鼻の炎症を鎮めるために用いられます。枇杷の葉(琵琶葉)には咳を鎮めたり、痰を除いたり、胃を丈夫にしたり、体の余分な水分を排泄したりする作用があるといわれています。
枇杷の葉をこまかく刻んで乾燥させたものに肉桂や甘草など七味を加えて煎じたのが枇杷葉湯とよばれ、江戸の夏の風物詩だったそうです。
その他にも、枇杷の葉を煎じた汁を皮膚炎やあせもに湿布したり、入浴剤として用いたりするなど、夏には枇杷の葉の出番がたくさんありました。そのため多くのお寺に枇杷の木が植えられ、人々の病を癒しました。
奈良時代に仏教とともに中国から日本にやってきた枇杷ですが、食用が栽培されるようになったのは遅く、江戸時代の末期(天保から弘化の頃)です。中国の食用品種が改めて日本に入ってきて、現在のような大きな枇杷が本格的に栽培されるようになったそうです。
甘くてジューシーな枇杷の実。
その鮮やかな色はベータカロチンをたっぷり含んでいます。ベータカロチンは体内でビタミンAに変換され、そのビタミンAは髪の健康維持や、視力維持、粘膜や皮膚の健康維持、そして、喉や肺など呼吸器系統を守る働きをします。実は葉とは違ったアプローチで身体に良い成分をたくさん含んでいるのです。