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今だから始めたい家庭菜園…冬至かぼちゃを栽培してみよう!

なかなか収束が見通せないコロナ禍…外出自粛の影響で、家庭で過ごす時間が長くなっている人も多いかと思います。そんな今だからこそ、以前からやってみたかった家庭菜園や自家栽培にチャレンジしてみよう!というポジティブな発想も「新しい生活様式」のひとつなのかもしれません。

今回ご紹介するのは、夏野菜の代名詞ともいえるかぼちゃ。ビタミンAなどが豊富で家庭料理では重宝する野菜ですが、夏真っ盛りの今から植えるかぼちゃもあるのをご存じでしたか?

俗に「冬至かぼちゃ」と呼ばれるものです。夏に植えて、冬が近づいた頃に収穫。冬至の頃が食べごろになります。確かに、冬至にかぼちゃを食べる風習も日本には根付いていますよね。

そんな冬至かぼちゃの栽培にチャレンジしてみたい!という方は、ぜひこれからご紹介する栽培のコツを読んでみてください!

目次

冬至かぼちゃに向いた品種は?

煮物にするとおいしい「えびす」は夏まき栽培でも作りやすく、初心者の方にもおすすめです。日本のかぼちゃのほとんどの品種は「えびす」と言われています。

栗のようなホクホクしたかぼちゃが好きな方には、「ほっこり133」「栗えびす」をおすすめします。また、少し小振りですが早生で甘みの強い「ほっこりえびす」は、栽培期間が限られる夏まき栽培で使いやすい品種です。

いずれも野菜の種を販売している店舗などで手に入ります。

種を蒔いてみよう

苗から育てる方法もありますが、せっかくなので今回はポットに種まきからスタートしてみましょう。種まきは8月頃が一つの目安です。

7.5cmポットに種蒔き用培養土を入れ、かぼちゃのタネ2粒を、3センチほど離して平らに置き、指で1センチ程度の深さに押し込みます。その後周りの土を寄せて種の上に土をかけます。

指の背で軽く土を押さえて土と種を密着させます。その後たっぷりの水やりをします。 カボチャは発芽した時に、硬い種皮が外れやすいよう、タネを平らに置くのがポイントです。

双葉が開いた頃に本葉1枚に間引きをして、1本たち(1ポット1株)にします。

植え付け前の新芽

植え付けしてみよう

葉の直径が4~5センチ程度に育ったら、植え付けの時期です。暑さが和らぐ午後3時以降の夕方に、根を崩さないよう定植します。

暑い時期なので、植えた後はすぐにたっぷりと水やりし、その後もこまめに水やりします。敷きワラやもみ殻などで株元を覆い、乾燥を防ぎましょう。

植え付け完了イメージ
プランターへの植え付け例
植え付けた例のイメージ
庭への植え付け例

仕立て方と着果

栽培期間が限られるので、親づる1本仕立ての1果どりとします。
着果節までのわき芽と、株元から9節以内に咲く雌花は早めに除去します。10~15節に咲く雌花に着果させることで、大きさ、味ともに充実したカボチャになります。

確実に着果させるため、ミツバチが飛びにくい雨天や低温時、また枝元近くの雌花で雄花が少ない場合には人工授粉がおすすめです。

受粉のフロー

人工授粉の方法ですが、 雌花が咲いたら、その日に咲いた新鮮な雄花を選んで摘み取り、花びらを取って雄しべをむき出しにします。
そして、雌花の柱頭に、花粉が着くように丁寧にトントンと授粉させてください。晴れた日の9時くらいまでには、受粉を行っておきましょう。

カボチャの受粉イメージ

追肥と収穫までの管理

かぼちゃは気温が低くなってくる頃に果実肥大期を迎えます。果実がこぶし大の頃を見計らい、1㎡当たりチッソ成分で3gを目安に追肥を行い、肥大を促します。
追肥後は、整枝を控えて草勢を維持します。着果後は特にうどんこ病が発生しやすくなるので、薬剤での防除をおすすめします。

収穫機のかぼちゃのイメージ
収穫間近のカボチャのイメージ

収穫のタイミングは?追熟って?

開花後50日前後、11月上旬~11月下旬頃が収穫時期です。果梗がコルク状になり、横割れが見られた頃が完熟の目安です。

収穫後は10~20日ほど冷暗所に置き、果梗部の切り口を乾かして腐りを防ぎます。 換気不足・凍害に気をつけてください。
置いている間に甘みが増します。これを「追熟」と言い、追熟期間を経ることで甘くておいしいカボチャができあがるというわけです。かぼちゃは腐りにくいので、12月下旬の冬至まで食べずに置いておいても問題ありません。

冬至かぼちゃは栄養の宝庫!

かぼちゃは、風邪などに抵抗するための栄養素をたくさん含んでいます。
ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、鉄分、カリウムなどがバランスよく含まれ栄養価が高い野菜です。

日本人は昔から、冬至の寒い時期に栄養価の高いかぼちゃを食べて寒い冬を乗り切っていました。さらに、かぼちゃは保存力が優れているため、冷蔵庫がない時代でも夏に収穫したかぼちゃを冬まで保存することが可能だったと言われています。

かぼちゃは、長期保存している間に甘みや栄養価が増していきます。
昔の人は、収穫された直後よりも少し時間を置いた方が美味しく食べられることを知っていたのですね。

収穫したカボチャの美しい黄色い断面

さて、ここまで「冬至かぼちゃ」の栽培方法を見てきました。
多少の手間暇はかかりますが、案外簡単に、かつスクスク育ってくれる丈夫な作物です。庭があれば平場で、庭がない方は支柱を立てるプランター栽培でチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

個人的な話ですが、私の父親もここ数年、冬至かぼちゃの生産に携わっています。うどんこ病予防の消毒作業や収穫、追熟期間を経ての出荷作業などを手伝うこともあり、非常に思い入れの深い作物でもあります。

ぜひ皆さんのご家庭でも、美味しいかぼちゃを家庭菜園レパートリーの一つとして取り入れてみてくださいね。

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