水耕栽培で大葉やしそを育ててみよう!
カイワレ大根やもやし、レタスなどが一般的な水耕栽培の品目になりますが、大葉やしそといったような野菜も栽培することができます。水耕栽培であれば、家の中で栽培するので、無農薬かつ虫がついていない、キレイで瑞々しいものを収穫可能です。
水耕栽培は、プランター農園などとは違い、広いスペースや日当たりを必要とせず、どのような家庭でも簡単にできてしまう家庭菜園です。簡単な野菜であれば、毎日水替えをするだけで簡単に作れてしまい、普段のサラダに一品加えることもできます。
大葉やしそは「そこまで数はいらないけれど、あったら便利」な野菜です。お刺身や天ぷらなどに一枚添えるのに、ぜひ、水耕栽培で作ってみませんか?
大葉やしそは水耕栽培できるのか
もちろん、できます。というより、水耕栽培のしやすい野菜の部類に入ります。
ただし、土耕栽培と違い、水耕栽培は味の良し悪しがかなり如実に出てきます。
簡単にできるとは言えども、だれでも美味しいものが作れるかと言われるとそうではなく、良いものを作るとなると、相応の努力も必要です。香りの良い大葉を育てるためにも、しっかり基本を網羅しておきましょう。
準備するもの
大葉やしその苗
スポンジなどを培養土の代替品として利用し、苗を育てるというやり方もありますが、初心者にはあまりおすすめしません。大葉やしその種は品種によりますが、大体発芽率は75%です。土耕で栽培した際も、発芽率は7割程度に落ち着きました。
発芽しないという、リスクを軽減するため、ホームセンターなどで苗を買うのがおすすめです。そもそも、種を買うと一袋50粒以上入っていることもあり、そんなにいりませんよね。
ペットボトル容器
水耕栽培をする上での培養容器になります。
しそや大葉は茎葉部に比べ、根が非常に発達します。そのため、小さいペットボトルではすぐに根でいっぱいになってしまうでしょう。2L以上のペットボトル容器を用意しておくのがおすすめです。
水
水は水道水で構いません。カルキ抜きをする必要はないのかという意見もありますが、日本の水道水は毒性が皆無なので、大丈夫です。逆に水道水に含まれるカルキは水耕栽培の天敵となる水の腐敗を抑制してくれます。
肥料
肥料といっても、土耕栽培のように、固形肥料を使うわけではありません。液肥と言われる液体状の肥料を利用します。
ホームセンターに行けば色々販売していますが、昨今では家庭用水耕栽培専門の液肥も販売しているのでそれを購入しましょう。種類によって養分値が違いますが、大葉やしその場合、菜物用液肥を購入しておけば間違いありません。
収穫までの手順
器を準備する
まずは器を準備しましょう。器の作り方は非常に簡単です。ペットボトルの飲み口の部分を切り、逆さにすれば完了です。その際、キャップは捨ててしまっても大丈夫です。
このような容器を作ることで、水替えを非常に楽に行うことができるのです。器にかかるお金もほぼ0円と非常にお手頃です。
器の中に水と液肥を投入する
次に、器の中に水と肥料を入れます。
液肥の量については、液肥パッケージに書いてある対応表を見て適切な量を投入するようにしましょう。
液肥は非常に高濃度であるため、自分が思っているよりも少ない量で大丈夫です。
水も、適応表に書いてある希釈倍率を守るようにします。
500倍~1000倍というように、適応幅がある場合は、その範囲内であるならどの倍率でも大丈夫です。
苗を器にセットする
まず、購入した苗をポットから取り出し、土を払いましょう。
根に付着した土については、水道水で洗って、なるべく清潔にします。根に残った土は水の腐敗の原因になるので、なるべく念入りに行うようにします。
しそや大葉は丈夫な植物であり、特に根の成長が早いです。そのため、多少根がちぎれたり、傷ついたりしても問題ありません。
その後、苗を器にセットしましょう。
ペットボトルの飲み口から丁寧に根を出してあげるようにします。
用意した容器であれば、ちょうど株元の葉っぱが引っかかって下に落ちてしまうことはありません。
株の根~茎部分が少し水に浸かるのがベストです。
管理
管理と言っても、土耕栽培のように虫を取ったり、雑草を抜いたりといったようなことはありません。ただし、水替えは必ず行わなければなりません。
水耕栽培において、水の良し悪しは食味に直接関係してきます。夏場であれば3日に一回、冬場は1週間に一回を目途に水替えと液肥の投入を行います。
また、前述の通り、大葉やしそは植物特性として、根が非常に煩雑します。すぐにペットボトル容器の中が根でいっぱいになってしまい、それが根腐れ・窒息の原因となってしまいます。そのため、根が煩雑になってきたら、根の散髪を行いましょう。
収穫
収穫は3月~9月まで行うことができます。 一気に収穫するより、1週間に2枚~3枚いただくことによって、株が枯れてしまうまでの間、ずっと楽しむことができます。ただし、寒さには弱いので、11月になるころにはほとんどの株が枯れてしまうことでしょう。
大葉やしそを水耕栽培する際の注意点
有機質由来の肥料を使わない
水耕栽培で使用する液肥は化学由来のものです。最近では、土耕栽培を行う、農家さん向けに有機物由来の液肥もホームセンターで購入することができますが、基本的に水耕栽培で有機質由来肥料を使うことはできません。
そもそも、有機質肥料の本来の用途は土壌の中に住む細菌の餌や温床になることによって、土壌の生物性を改善する役割があります。養分としての役割を果たすのは、細菌や微生物に分解されてからなのです。
水耕栽培はそこまで長いスパン栽培するわけではありません。なるべく即効性のある化学由来液肥を使った方が良いのです。また、有機質は水を腐らせる原因になってしまい、水の腐敗は作物の病気の原因になってしまうので、絶対にやめましょう。
与える肥料の量に注意する
肥料は適切な分量を守りましょう。
栽培する作物によって使用できる肥料の量は変わってくるので、適応表はしっかりと見ます。少なすぎると植物の生長は著しく阻害されてしまうでしょう。しかし、多いと良いわけではありません。
肥料が多すぎると、肥料焼けと呼ばれる独特の生理障害を起こしてしまいます。もしも、肥料をやりすぎて、生育に不良が見られた場合は肥料の入れていない真水に2日~3日つけて様子を見ることにしましょう。
直射日光に当てない
大葉やしそは自然界では木漏れ日の中で育つ植物です。そのため、太陽の光がぎらぎらと当たる日向ではなく、窓際などに置くのがおすすめです。
日向でも育たないことはないのですが、茎や葉脈が非常に硬くなってしまうため、食味が著しく低下します。
水耕栽培で育てる大葉やしそのまとめ
大葉やしそは水耕栽培ができる野菜や植物の中でも非常に丈夫で作りやすい傾向にあります。汎用性が高い野菜なので、食卓を彩ってくれるかもしれませんね。成長も早く、すぐに結果が出るため、お子様にやらせてみるのも良い教育になりそうですね。
土壌で起き得る病気の心配がなく、無農薬でも虫がつかず、家の中のスペースだけで挑戦できる、水耕栽培は家庭菜園の第一歩としておすすめです。
ぜひとも、これからプチガーデニングを考えている方は試してみてくださいね!