畑からはじまるスキンケア!美と健康のための注目素材③バラ
バラとスキンケアの関係
古代から美を表現する花の代表がバラです。その美しい姿と芳しい香りで世界中の女性から好まれてきたバラは、美容や健康の維持にかかせない素材です。現在では大部分が観賞用に栽培され、色、花びらのつき方、形、香りの異なる品種が2万以上あるといわれます。そんな多くの品種の中の食用や美容に利用されるバラについてご紹介しましょう。
スキンケアに使われるバラ
ダマスクローズ
香料をとる、あるいは食べるためのバラはダマスクローズ(Damask rose)です。別名をロサ・ダマスケナ(Rosa damascena)といいます。ダマスクローズはとくに香りがすばらしく、花の色はピンクまたは淡い赤、小ぶりの花が房状につくのが特徴です。
ワイルドローズ【カニナバラ】
ワイルドローズは人の手によって改良されていない野生種のバラです。肌の水分/油分のバランスを整え、ホルモンバランスを調整する働きをもつのが特徴です。ワイルドローズの果実はローズヒップと呼ばれ、食用に利用されます。ローズヒップの中の種子から搾るローズヒップオイルは、スキンケアにとくに効果の高い素材です。
バラのスキンケア素材
ローズオイル
ローズオイルとはダマスクローズの花びらから抽出する油です。精油やエッセンシャルオイルとも呼ばれています。バラの花びらに含まれる精油成分はごく微量なので、ローズオイルを1滴抽出するためには、約50個のダマスクローズの花が必要です。そのため、ローズオイルはほかの精油に比べると、どうしても高額になってしまうのは仕方がありません。
この希少なローズオイルは抽出方法によって2種類に分類されます。抽出方法が違うのでこの2つの種類のローズオイルに抽出される成分は異なるものです。したがって、オイルの色や香りもこの2つを比較するとやや違います。
ローズオットー
バラの花びらを水蒸気蒸留して抽出するローズオイルがローズオットーです。水蒸気蒸留で抽出できるオイルはごく少量なので、価格は高額になります。また、ローズオイルとしての作用はこのローズオットーの方が高いといわれています。
ローズアブソリュート
ローズアブソリュートとは、バラの花びらの溶剤抽出によりできたローズオイルです。溶剤抽出とは揮発性有機溶剤(ヘキサン、エタノールなど)を用いて精油を抽出する方法です。水蒸気蒸留と比較するとより効率的に、成分の変質の少ない精油が抽出でき、ローズオットーに比べると香りは濃厚なのが特徴です。
ローズウォーター
ローズウォーターはローズオットーの蒸留時に同時に生成される水が主成分の副産物です。ローズウォーターはローズ水、ローズ水蒸気蒸留水、ローズハイドロゾルなどと呼ばれることもあります。
ローズウォーターにはわずかにローズオイルの成分や香りが含まれ、ローズウォーターを化粧水として使用される方もいらっしゃいます。化粧水やクリーム、乳液などに水の代わりにこのローズウォーターを使用することで、香料として化粧品に使用することも可能です。
食用としてローズウォーターを利用する文化もあります。薔薇の香りの飲み物やデザートなどに香料として加えて楽しみます。バラの香りのデザートなんてロマンティックですね。
ローズヒップオイル
ワイルドローズの果実の中にある種子から抽出したローズヒップオイルはビタミン豊富で、抗酸化作用の高い美容オイルとして注目されている植物油です。保湿性にすぐれ、エイジングケア成分が豊富なので、くすみが気になるなどの加齢肌のケア用として注目されています。
ローズヒップオイルはベタつきが少なく、サラッとした使用感が人気です。生産量が限られた希少な油なので高額になりますが、美容的な効能の高いオイルとして評判が高いオイルです。肌の老化が気になり始めたらローズヒップオイルを試してみましょう。
バラを食べて美しく健康に
バラの花びらにはビタミンCが豊富で、美容食材としても人気です。ビタミンCには、色素の沈着予防や、体内でのコラーゲンの合成、ニキビの改善、しわを目立たなくする、毛穴の引き締めなどの美肌効果があるといわれています。
ローズジャム
食用のバラは、ローズジャムにするのもおすすめです。バラの香りを楽しみながら、同時に美容成分もとれるうれしい食品です。パンやクラッカーにのせて食べるのもおいしいですし、紅茶に加えるとほんのりとバラの香りのするおいしい紅茶になります。ローズジャムがあれば優雅なティータイムを楽しめますよ。
ハーブティー
ローズペタル・つぼみ
食用バラの花びらやつぼみは、ハーブティーの材料として使用されます。乾燥したバラの花びら小さじ山盛り1~2杯をティーポットにいれ、約200mLの熱湯を注ぎ、約5分蒸らします。あらかじめあたためておいたティーカップに注いでいただきます。お好みでハチミツなどの甘みを加えてもよいでしょう。
バラのハーブティーはあっさりしたテイストなので、レモングラスなどのほかのハーブとブレンドしてみるのもおすすめです。お気に入りのブレンドを探してみるのも楽しいですよ。
ローズヒップ
ビタミンCが豊富なワイルドローズの乾燥果実でつくるハーブティーも美肌づくりにおすすめです。ただ、ローズヒップだけのハーブティーだと味が薄く飲みにくく感じることもあるので、そんな場合には、ハイビスカスティーとブレンドする、ハチミツを加えるなどの方法をおすすめします。
バラの美と健康への効能
心への効能
心への効能①幸福感をもたらす
バラの香りにはこわばった心をやわらげ、高揚感を与えてくれる効果が認められています。心が深く傷ついてしまったとき、孤独で寂しいとき、自分に自信がもてないとき、ストレスや緊張で折れそうなときなどに私たちをやさしくいたわり、はげましてくれるのがバラの香りです。
体への効能
体への効能①ホルモンバランスに働きかける
バラはとくに女性のホルモンバランスを整え、デリケートな体にやさしく働きかけます。バラには子宮強壮作用が認められており、生理期間前後の不調、生理不順、更年期によるトラブルなど生殖機能の不調にも有効だといわれます。
体への効能②自律神経に働きかける
自律神経の乱れによって現れる体の不調にもバラの香りのリラックス効果が働きかけるといわれます。過剰なストレスによる体調不良を感じるなら、バラの香りがおすすめです。
肌への効果
バラはオイリー、ノーマル、ドライ、マチュア(加齢)、センシティブ(敏感)など、どんなタイプの肌にも使えるオールマイティなスキンケア素材です。
肌への効能①油分と水分のバランスを整える
バラは高い保湿作用をもつことで知られ、乾燥、敏感肌の改善に導きます。また、水分と油分のバランスを整えてくれる働きをもつためオイリー肌のケアにも使用されます。
肌への効能②エイジングケアに
バラの抗酸化作用は加齢肌のケアにも有効だといわれます。肌の透明感や弾力を保ち、血流を活性させターンオーバーをうながし、毛穴を引き締める働きが期待されます。
肌への効能③炎症をおさえる
バラには肌の炎症をおさえる働きが認められています。ニキビや吹き出物などの炎症を鎮静させるためのケアにもバラが役立ちます。
バラの美容効果でいつまでも美しく!
バラの花言葉は「美」と「愛」、まさに女性のためにかかせない植物です。バラから抽出されるローズオイルやローズウォーターは香水や化粧品の原料として重要な役割を果たします。バラの香りや効能を上手に利用してもっと美しく、もっと健康になるために役立ててみてくださいね!