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夏の刺激を倍増させる唐辛子栽培

辛味が夏にぴったりの唐辛子!

刺激が強いイメージの唐辛子ですが、食欲増進や疲労回復効果が期待でき、夏を乗り切る食材としてはピッタリです。また栄養面だけでなく、意外にもレシピも豊富です。生でフレッシュに味わうもよし、乾燥させて料理のスパイスに使うもよし。そんな収穫後の調理を想像しながら、栽培を楽しむことができます。

私は唐辛子のなかでも甘味種にあたる甘長唐辛子を育てていました。その経験をもとに、今回は唐辛子の育て方を紹介していきます。

目次

辛いだけじゃない 唐辛子の魅力

ひと口かじっただけで、体が燃えるような刺激を感じる唐辛子。それはカプサイシンという辛味をもたらす成分が含まれているためです。摂取すると、内臓感覚神経に働き、汗が出たり、強心作用を促す働きがあると言われます。そのほかにも、唐辛子の刺激は胃腸を刺激したり、消化を進めたりするほか、食欲を増進する作用も。ビタミンCが多く含まれていることから、風邪の予防や疲労回復、肌荒れなどにも効果があります。抗がん作用があるβカロテンや抗酸化作用をもつビタミンEが豊富に含まれている点も注目です。

豚肉や牛肉などと一緒に炒めたり、甘辛煮やお浸しにしたり、天ぷらにしたりとレシピは豊富です。夏らしく、さっぱりと大葉やエビなどと和えたりしてもお薦め。さまざまなレシピで楽しんでみましょう。

唐辛子栽培にあたって準備するもの

基本的には、通常の畑作業で使用するものが中心です。土づくりのためのたい肥や鍬、地温管理のためのマルチシート、植え付けや追肥の際に使用するマルチカッター、マルチを固定するマルチ留め、枝を支える支柱と麻紐etc。何か特別なものを用意する必要はありません。

まずは土づくりから!

唐辛子を植え付ける2~3週間前に、畝をつくります。その際に、鶏ふんや苦土石灰などのたい肥を土に加え、しっかり混ぜます。空気を入れて、水はけがよく、保水性の高い土づくりを意識しましょう。栽培適温は20℃~30℃です。この時期の畝づくりは過酷ですが、野菜を育てるうえでは重要なポイントですので頑張りましょう!

土にたい肥を加え、十分に混ぜたら、畝をつくります。幅は約70㎝、高さは15㎝ほど。そこにマルチシートを被せ、固定。ここまでで、畝づくりは完了となります。

植え付けから支柱の立て方まで

植え付けに関しては、マルチカッターであけた穴にたっぷりと水を含ませた苗を入れます。穴の深さは、苗のポット内の土の高さとマルチの表面が同じになるのが目安です。地表より深く埋めてしまうと、水がたまり、根腐れをおこしたりして、生育が悪くなるので気をつけましょう。苗と苗の間は50㎝ほど離して植え付けるのが適しています。

植え付け後は枝が折れないよう、主枝に支柱を立てます。苗に交差するように斜めに支柱を立てて、麻紐で固定します。きつく結ばず、ある程度余裕を持たせて、8の字で結びましょう。

枝をスッキリさせて収穫量アップ!

植え付け後、2~3週間で一度追肥を行います。マルチをはがすか、株元から左右5~10㎝ほどのところに穴をあけて肥料を入れます。その後も2~3週間ごとに追肥をするのがお薦めです。私の場合は、一握りの鶏ふんを株元左右にまいていました。

唐辛子はたくさんの枝が育ってきます。そのままでも問題ありませんが、収穫量を増やしたい場合は整枝しましょう。一番初めに咲いた花から近い枝2本を残し、そのほかの脇芽や枝はすべて取り除きましょう。根元から出る芽も取った方が、残した枝に栄養がたくさんまわります。

支柱は3本立てにしても、1本立てにして、麻紐でそれぞれ固定するやり方でもどちらでも構いません。

病害虫には注意

唐辛子は害虫にも人気な野菜です。特にアブラムシはモザイク病などの病気を媒介するので要注意。植え付け時に浸透性の農薬を根元に置いておくと1カ月くらいは効果があります。ヨトウムシやタバコガは、唐辛子の実を食べてしまうので、見つけたらすぐに取り除きましょう。

野菜の葉や茎が急にしおれて枯れてしまう「青枯れ病」やカビによる土壌病害で、葉が黄色く枯れてしまう「萎凋病」、「モザイク病」がよく発症します。病気になったら、ほかの株にうつらないよう、その部分を抜き取ります。

唐辛子は栽培期間が長く、さまざまな病害虫から被害を受ける可能性があるため、早期発見・早期防除を心掛けましょう。

辛味種と甘味種で異なる収穫時期

赤唐辛子や鷹の爪などの辛味種は、赤く熟した果実を1つずつ摘み取ります。ハサミをヘタの上5㎝ほどに入れて収穫。収穫時期は大体開花から60日前後。その後、全体が赤くなったら株ごと引き抜きます。青唐辛子などは実になったら順次、ハサミで摘み取っていきます。開花から20日ほどたつと収穫時期になります。甘長唐辛子も同様で、大体5〜10cm程になったタイミングでどんどん収穫していきました。収穫後、しっかり乾燥させた方が長期間保存できるので、お薦めです。私が育てた甘長唐辛子は実が厚めだったため、乾燥させずに生でいただきました。一度収穫し始めると続々と実がなってきましたので、毎週楽しみでした。ただ、葉も茎も実もすべて緑色で、どれを取ればよいのが目を凝らさなければならなかったのがデメリットでした。

保存方法について

前述したように、収穫後しっかり乾燥させることで保存しやすくなります。株ごと乾燥させる場合は、根元を数本ずつ縛り、逆さに吊るして乾燥させます。実だけの場合は、乾燥ネットやざるを活用し、なるべく重ならないように並べて置きましょう。風通しの良い日陰がベストです。乾燥完了の目安は、表面にシワができ、振るとなかで種が転がるのがわかる状態。からからと乾いた種の音を確認してください。種まで乾燥できていないと、カビの原因になるので気をつけましょう。その後は、湿気ないよう、密閉容器に入れ冷暗所で保存。乾燥剤を入れるのもお薦めです。そうすると半年から1年程度保存することが可能です。乾燥に向いている品種は、鷹の爪など果肉の薄い品種です。果肉が厚くなると水分を多く含むので、乾燥させることが難しくなります。

生で冷蔵保存する場合は、乾燥しないように保存袋やラップで、密閉しましょう。カビの原因となる水分をしっかりふき取ることも重要。保存期間は1週間ほどです。冷凍保存する場合は、1つずつラップにくるんで冷凍庫に入れるのがお薦め。しっかり密閉することで変色を防ぎ、風味や辛味を保ってくれます。解凍後の使いやすさを重視する場合は、カットして冷凍するのも可能です。唐辛子本来の辛味や風味、果肉のフレッシュさを味わいたい方は生で保存しましょう。

私が育てた甘長唐辛子は、果肉が厚い方でしたので、生で調理しました。かなりの量が採れましたが、2人で分けたので、消費もそこまで苦ではなかったです。むしろ、どんな料理に使えるのかを考えて楽しめました。

まとめ

私は唐辛子ときいて、一般的にイメージする赤唐辛子ではなく、甘長唐辛子という品種を育てていました。今までは、市販の乾燥させてある唐辛子しか使ったことがなかったので、生の肉厚な甘長唐辛子を味わうのは非常に新鮮でした。初めて収穫する際も、唐辛子ってこんなでかくで厚かったっけ、と思ったほどです。唐辛子にはさまざまな品種があるので、いくつか試してみるのもいいかもしれませんね。追肥のタイミングや剪定、病害虫のケアなど少し手がかかりますが、その分収穫するときの喜びは倍増します。それらのお世話も含めて、唐辛子栽培を楽しんでみてください。

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