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農業振興地域とは?農振除外ってなに?

こんにちは、ツチカウ編集部の谷口です。皆さんは『農業振興地域』という制度をご存知でしょうか。

実は身近にたくさんある農業振興地域について、宅建合格者でもある筆者が解説します。(ツチカウ編集部の在する長野県が田舎だから身近なだけかもしれませんが。。)

農家になりたい時、土地を取得したい時、お家を建てたい時など、人生において『農業振興地域』は意外と関わることが多い制度ですので、この機会にざっくり学んでいきましょう!

目次

農業振興地域とは?

そもそも、農業振興地域とは何なのでしょうか。

農業振興地域とは、『農業振興地域制度』で定められた区域のことを指します。

農業振興地域の目的は、下記の通りです。

自然的経済的社会的諸条件を考慮して総合的に農業の振興を図ることが必要であると認められる地域について、その地域の整備に関し必要な施策を計画的に推進するための措置を講ずることにより、農業の健全な発展を図るとともに、国土資源の合理的な利用に寄与することを目的とする。

引用元:農林水産省ホームページ 農業振興地域制度の概要 |https://www.maff.go.jp/j/nousin/noukei/totiriyo/t_sinko/sinko_01.html

さっそく難しいですが、簡単にいうと「将来的に農業をやってもらいたい!」地域を、「農業振興地域」と定める制度のことです。

農業振興地域を指定するのは都道府県

「農業振興地域」を指定するのは、各都道府県となります。「将来的に農業をやってもらいたい、農地として確保しておきたい」と判断された土地が、農業振興地域として指定されます。

農業振興地域は、「農用地区域」と「白地地域」の二つに分けられる

農業振興地域は、「農用地区域(青地地域)」と「白地地域」の二つに分けられます。この辺からなにを言っているのか分からなくなってくる人も多いのではないでしょうか。(行政のホームページを読んでも、難しくて理解できないですよね。)

非常に簡単にいうと、「農用地区域(青地地域)」とは、「将来的にも農業をやってもらいたいし、というか今も絶対農業やってね!」という区域です。

一方、 「白地地域」 とは、「農業振興地域内の農用地区域以外の農地」のことです。

こちらも非常に簡単にいうと「将来的に農業をやってもらいたいよ!でも、まあ、農用地区域の農地に比べたらそこまでじゃないかな、、でも農業やってね、うん。」という地域です。(この辺は若干グレーな解釈でご了承ください。)

「農業振興地域内」の「農用地区域内」の農地は、農地転用が禁止

「農業振興地域内」の「農用地区域内」の農地は、農地転用が禁止されています。

「農業振興地域内」の「農用地区域内」の農地は、 「絶対農業やって!絶対ね!」という農地なので、農地転用は禁止されています。

参照:農林水産省 農業振興地域制度|https://www.maff.go.jp/j/nousin/noukei/totiriyo/

農用地区域を農地転用する手段はあるの?

「ここは農業振興地域内の畑だけど、ここにお家を建てて家庭菜園を楽しみたい、、。田舎に暮らす夢を叶えたい。。」という方もいるのではないでしょうか。

農用地区域にある農地を、農地以外の用途に利用すること(農地転用すること)は可能なのでしょうか。

結論は、可能なこともあります(無理な時もあります)。ただし、面倒くさいです。

筆者の周りにも、農業振興地域内の農地に家を建てるために、農業振興地域からの除外手続き(「農振除外」と言います)をしている人がいます。また、筆者もまさに農振除外の申請をしている一人です。

農振除外するために必要なこと

農業振興地域からの除外はできる、としつつも、「除外したいから!」という理由だけでは除外できません。該当する農地が所在する自治体によって若干条件がことなる場合もあります。ここでは、ツチカウ編集部の在する長野県東御市を例に見ていきましょう。

長野県東御市で農振除外をするための条件 

・農振除外の5要件     

1 農業以外の目的に利用することが必要かつ適当(変更後の具体的計画があり、なおかつ緊急性があること)であって、他に代替すべき土地がないこと。

2 農用地区域の集団性(土地利用の混在が生じないもの)が保たれ、また、周辺の農地に支障を及ぼすおそれがないこと。(農用地が虫食いあるいは分断される状態にならないこと。)

3 効率的かつ安定的な農業経営を営む者に対する農用地の利用の集積に支障を及ぼすおそれがないこと。

4 農用地等の保全または利用上必要な施設の機能に支障を及ぼすおそれがないこと。

5 ほ場整備などの土地改良事業等を実施した土地は、完了の翌年度から起算して8年以上経過していること。

※その他関連法令(農地法、建築基準法、都市計画法など)に抵触しないこと。

農業振興地域について|長野県東御市 https://www.city.tomi.nagano.jp/category/nougyoushinkou/101878.html

うーん、なかなか厳しいですね。。特に「代替地がないこと」という箇所がネックになることが多いです。探せば他に土地はありますからね。。

「農家の跡取りとして、母屋の横に家を建てる!」とかならなんとか認められそうですが、素人には申請することも難しい、というのが正直なところです。

農振除外手続きは土地家屋調査士に依頼することがベター

さて、そんな複雑怪奇な「農振除外」をしたい時には、誰に頼れば良いのでしょうか。

そう、『土地家屋調査士』です。(筆者も土地家屋調査士の先生に依頼しています)

土地家屋調査士は、不動産に関わる法律から、土地の測量に関することまで、何でもこなすスーパーな方々です。(文系から理系まで、横断的な知識を持っています。)

農振除外をするとなると、申請する農地の測量も必要ですし、法律を理解した申請も必要です。おとなしく土地家屋調査士に相談することがベターです。

農振除外にかかる期間は?

さて、農振除外をするとなると、どのくらいの期間がかかるのでしょうか。

これも自治体や申請タイミングにもよりますが、およそ半年以上~3年くらいは見ておいた方が無難です。(筆者の場合は2年くらいかかる見込みです)

そもそも、農振除外の申請は、多くの自治体で年に2回ほどしか受け付けられていません。ツチカウ編集部の在する長野県東御市の場合は、「7月中旬~7月末、1月中旬~1月末」の2回です(2021年現在)。

まずは土地家屋調査士に相談し、各自治体のホームページを確認してみることが無難です。

農業振興地域まとめ

複雑怪奇な農業振興地域制度ですが、「日本の農業の未来」を守るために定められている制度です。

もし、家を建てる時、土地を売買する時に「農業振興地域」に出会ったら、「なぜその土地が農業振興地域」として指定されているか、調べてみてください。

もしかしたら、あなたの知らない歴史、あなたの知らない地域文化があって、その土地は「地域の農業を支える重要な地点」なのかもしれません!

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この記事を書いた人

ノウキナビ営業の若林です。
ノウキナビでは、インターネットを活用した農機具の新しい流通をつくることで、世界の農業を一歩先へ進めることを目指しています。

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