五感を刺激するアボカドの水耕栽培|種から発芽のち、鉢植えで観る楽しみを
中南米を主な原産国とする、栄養価の源・アボカド。
この果実はおおむね、糖質制限やローフードなどの西洋的な食養との相性が良い食材です。
健康志向の高いハリウッドスターの間でイメージアップが加速し、日本でもアボカドをメインとする食文化が邁進しつづけています。
熟成した果実の芳醇さと、コクのある味わい、適度な脂質による食べごたえが魅力のアボカド。
今日のアボカド需要の拡大にともなって、あなたも家庭での水耕栽培に取り組んでみませんか?
ギネスのお墨付き。アボカドの魅力や効能とは?
アボカドは、こってりとした不思議な口どけと、バターのような甘みのない風合いが特徴の果実です。
果肉の約20%を脂肪分が占めていますが、そのほとんどが良質な一価不飽和脂肪酸であり、食べるダイエットに最適とされています。
アボカドは過去に、最も栄養価の高い果物として、ギネスブックに認定されました。糖質は控えめで、ビタミン群や食物繊維、タンパク質、ミネラルを豊富に含む、まさに“栄養価の宝庫”。西洋的な栄養学において健康効果が謳われやすく、食材としての華も兼ね備えています。
アボカドの生産国といえば、世界第1位がメキシコです。日本に流通している99%がメキシコからの輸入物であり、そのほとんどがハス種に属しています。
アボカドの和名が鰐梨(ワニナシ)である通り、緑あるいは黒々としたワニの表皮を思い起こさせる種です。
アボカドの栽培起源は約7,000年前にも遡り、およそ3,000種にも分かれていることはあまり知られていません。日本では輸入の影響により皮が厚く、追熟に適したハス種がもっぱら好んで食されています。
熱帯の青果物であるアボカドは、日本での栽培において極めて稀少であることも魅力の1つです。
国産のアボカドは「雪国アボカド」や「幻の国産」などの謳い文句とともに、今後の供給拡大に期待が集まっています。
アボカドのちょこっとQ&A
Q1.アボカドが、果物の中で最も脂肪分が多いのはなぜ?
A.“野菜寄りの果実”であるアボカドに、脂質が全体の5分の1も含まれていることは不思議に思えますよね。
まず前提として、種々雑多な栄養素で生きている動物とは違い、多くの植物は日光を頼りにしています。
必要最低限のエネルギーで成長する植物は、細胞の中に液胞というポケットを作る(体積の90%以上)ことで、自らを最大限に大きくすることが可能です。
「細胞内の貯蔵庫」と呼ばれる液胞には、植物によってそれぞれ糖分や酸味、毒物を蓄えるなどして、進化に対応してきた経緯があります。
アボカドの場合は高カロリーな脂肪分を蓄えるのが生存戦略であり、古代の大型動物をターゲットに繁栄した果物であると考えられています。
Q2.アボカドの種が大きいことは、生存戦略に不利ではないのか?
多くの鳥や小動物もまた、脂質の多い果実をより好んで食べることが分かっています。が、アボカドの種子ごと食べて散布してくれるような鳥は存在せず、むしろ毒性によって死んでしまうこともあるというから驚きです。
その他多くの動物にとってもアボカドのペルシンという成分が中毒を引き起こすといわれていますが、奇妙にも人間だけが例外です。
アボカドの種を上手く処理できる大型動物が太古のうちに絶滅したため、代わって利他行(アボカドの場合は果肉を食べられること)が報われる新しいターゲットが人間となり、あたかもそこに狙いを定めているかのようです。
アボカドという樹木の生存戦略は、次なるフェーズに入っているのかもしれません。
Q3.固くて緑色のアボカドを早めに食べる方法が知りたい!
遥か8,000km離れたメキシコから輸入されるアボカドは、追熟の過程で果実が熟れていき、色・風味・柔らかさがしだいに変化します。
この追熟のスピードをもっと早めるには、
- アルミホイルに包んで20度前後のまま室温保存する
- バナナやリンゴと一緒に袋に入れてエチレンの分泌を促す
などの方法があります。
酵素分解によって実が軟化し、芳醇な香りを放っていたら、熟成はピークに達しています。
アボカドの水耕栽培をはじめる前に
知っておきたいアボカドの栽培特性
アボカドは、熱帯~亜熱帯で生産されるクスノキ科ワニナシ属の常緑果樹です。
生育旺盛で高さ20~30mにも育ちますが、鉢植えでは1~2mほどとなり観葉植物に適しています。
雌雄同花でありながら雄しべと雌しべの成熟期がズレているため(同花受粉を避け、遠方の個体との受粉を行おうとする戦略による)、1品種だけでは果実がなりにくいのが難点といえます。
それゆえ、アボカドの葉が美しいことを活かして部屋のインテリアなどにするのが栽培の主流です。
とりわけ水耕栽培では、鑑賞用としての絵面に定評があります。
アボカドを育てるには、気温20度前後の栽培環境が適しています。
水耕栽培では5~6月頃に着手すると、安定して発芽が促されますが、真夏のカビや真冬の生育不良には要注意。
半年も過ぎると鮮やかなグリーンの葉っぱが室内を彩ってくれるため、十分に栽培過程を堪能することができます。
国産アボカドの栽培が注目される理由
国内での栽培体系や産地がほとんど確立していないのが、国産アボカドの現状です。
が、アボカドの日本グルメ界への参入には勢いがあり、もしも国産アボカドがコンスタントに生産できれば大きなビジネスチャンスとなります。
輸入の過程で追熟するのではなく、樹木のもとで完熟したアボカドは香りが強く、味も濃厚なのだとか。
アボカドは結実までに3~7年を要しますが、手間やコストがほとんどかからず、長期間収穫できるのが強みです。
気候変動を逆利用した南国フルーツの栽培が進む今、アボカドの食品需要が次なるブームを運んでくるかもしれません。
アボカドを水耕栽培する基本の手順
準備するもの
- 水耕栽培用の容器
- アボカドの種
- 液体肥料
- 爪楊枝3~4本
(鉢上げをする場合)
- 植え替え用の鉢
- 観葉植物用か園芸用の培養土
- 緩効性化成肥料
手順1:容器と種を洗浄する
水耕栽培に使う容器は、視覚的にクリアとなる透明のグラスが適しています。
あるいは、アボカドの種より少し大きめに口が開いた小瓶類を選びましょう。
手持ちの容器がなければ、ペットボトルやスターバックスなどのドーム型カップで代用するのもおすすめ。いずれの容器もしっかり洗浄し、汚れやぬめりを取り除いておきます。
ペットボトルは上部3分の1を切り取り、飲み口をひっくり返して重ね合わせ、スタバの容器はドーム部分を逆さにはめ込むだけで完成です。
アボカドの種は必ず常温で保存していたものを使います。というのも、冷蔵庫などで冷却された種ほど発芽率が悪くなるためです。
表面の果肉をスポンジでこすり落とし、脂質が取り切れない場合は洗剤を使いましょう。
種の茶色い皮は、剥いた方が良いとする向きもありますが、取らなくても特に問題はありません。
手順2:種に爪楊枝を刺して容器にセットする
種の尖った方が上部になるように、3~4方向から放射状に爪楊枝を刺しましょう。爪楊枝を刺すのは発芽を促す効果と、容器に種を固定する意味合いがあります。刺し方のポイントは、中心に向かって少し斜めに下がるように角度を付け、種が容器から大きくはみ出ないようにすることです。お尻の3分の1~半分程度が水に浸かるように、容器に種をセッティングします。
手順3:水換え&肥料
水耕栽培では直射日光を避け、暖かく日当たりの良い場所を選ぶようにします。腐敗やカビの発生を防ぐため、水を毎日取り換えながら発根と発芽を待ちましょう。1ヶ月前後もすると種が割れて根っこが伸び、そこから少し遅れて芽も出てくるようになります。発芽に肥料は必要ないものの、芽が出て生育が安定したら少量ずつ液体肥料を与えるようにしてください。
手順4:土に植え替える
根が長く伸び、茎や葉が順調に育ってきたら土への植え替えを検討しましょう。水耕栽培での成長に限界が見られたタイミングで、土栽培に切り替える手もあります。植え替えの適期は5~6月です。鉢植えにすると根がグングン伸びる一方で、茎や幹は太く、葉が立派に育っていく変化を楽しむことができます。
深さのある植木鉢に観葉植物用の培養土を入れ、伸びた根を傷つけないように移植しましょう。種は半分程度が土から出るように配置しますが、植え替え時に爪楊枝を回転させながら引き抜くと、種割れを防ぐことができます。アボカドの成育に伴って鉢を大きいものに替えたり、鉢植えから地植えに変更したりすることも可能です。春から秋にかけての生育期間中は、2~3ヶ月おきに化成肥料を与えるなどの管理をしましょう。
後記
アボカドは種から育てていると、10年以上経ってから花が咲くケースもあります。
観葉植物化していても、数年先の樹木の状態は誰にも分かりません。
もしも水耕栽培からの自家栽培によって、アボカドの実が採れたなら。
完熟の味を楽しめるだけでなく、稀少価値の高さからアボカド・ドリームに舞い上がってしまうかもしれません。
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