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世界で注目されている小さな農業とは?

今、日本をはじめ世界中で、家族規模で営む「小さな農業」が注目されています。健康や食への注目の高まりや、SNSなどでの発信が盛んになったことから、無農薬・有機栽培の野菜の需要が高まり、生産者の顔が見える中小規模農業が好まれるようになったためです。

また、2017年末の国連総会で2019〜2028年を「家族農業の10年」とすることが採択されました。続く2018年末の国連総会では「小農と農村で働く人びとの権利に関する国連宣言(小農の権利宣言)」が採択され、家族農業の保護や促進が呼びかけられています。

目次

小さな農業とは?

「小さな農業」とは、家族経営などの小規模な農家のことを指します。「小農と農村で働く人びとの権利に関する国連宣言」では、小農を以下のように定義しています。

1. 本宣言において、小農とは、自給のためもしくは販売のため、またはその両方のため、一人もしくはその他の人びとと共同で、またはコミュニティとして、小さい規模の農的生産を行なっているか、行うことを目指している人、そして、例外もあるとはいえ、家族および世帯内の労働力ならびに貨幣を介さないその他の労働力に大幅に依拠し、土地(大地)に対して特別な依存状態や結びつきを持つ人を指す。

引用:小農と農村で働く人びとの権利に関する国連宣言

日本では、農業経営全体の97%以上が家族経営というデータから、小さな農業によって国内の農業は支えられていると言えます。
参考:2015年農林業センサス 農林水産省

今、世界で「小さな農業」がトレンドとなっている

TPP(環太平洋パートナーシップ協会)により農地取得等に関する規制緩和が進み、多国籍企業や国が土地や種子、水など農業に欠かせない自然資源の囲い込みを行なったり、住民の強制的立ち退きや農民に対する人権侵害問題が発生しています。また、2007~2008年にかけて世界的な食糧危機が起こりました。
このような問題を受けて、農業のあり方が見直されるようになりました。

世界の農家の約90%が家族農業で、その人口は約5億人にのぼります。また、家族農業は世界の食料生産の80%を担っているとも言われています。
参考:国連家族農業の10年 国際連合食糧農業機関

これらの流れから、現在、小規模・家族農家が注目されているのです。

大規模農家が主流のアメリカでも、環境意識や消費者側の食に関する安全への関心の高まりから、年々ファーマーズマーケットが増えています。ロシアでもダーチャ(畑付き別荘)が人気を集めています。

日本でも2019年1月に「国連小農宣言・家族農業10年連絡会」というネットワークができました。この連絡会は日本の農家・市民・NGO・研究者などが相互に交流したり、連携を深めたりすることを目的に設立されました。

小さな農業のメリット・デメリットとは?

世界中で注目されている「小さな農業」には、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
次にそれぞれについて、説明していきます。

小さな農業のメリット

小さな農業ならではの戦略が活かせる「スモールメリット」があります。
小さな農業には様々なスモールメリットがありますが、主に3つのメリットを説明します。

リスクを分散しやすい

小規模だからこそ、品目数を増やしてリスクを分散することができます。この農業スタイルを「少量多品種農業」と言い、小さな農業の特徴の一つになります。台風などの自然災害を受けても一部の農作物が守られれば出荷することができるため、被害が最小限で抑えられたり、流通網を分散させたりすることができます。

新鮮、品種、栽培、旬の4要素を満たすことができる

それぞれの野菜の旬の時期に、適切な管理のもと味にこだわった品種を選び、新鮮な状態のままで消費者へ届けることで、その美味しさはより一層増します。小さな農業は一つひとつの作物に気をくばることができるため、大規模農業に比べてこの4要素を満たしやすいのです。

高付加価値をつけやすい

小規模農家(小さな農家)のほとんどは、取引先と直接やりとりをし、価格も自分たちで決めている農家が多いようです。
また大きな農業と比べて個性を出しやすいとも言え、小さな農業だからこそ、他にはないオリジナル商品の発売など小回りが利く経営ができます。

小さな農業のデメリット

小さな農業のメリットを説明してきましたが、デメリットもあります。

労働時間の増加

小さな農業は大規模農業に比べて、効率が良いとは言えないでしょう。畑の面積が小さいと、大型の機械は使いにくくなります。機械が入れられないと人の手を使う作業がメインとなり、結果として労働時間がふえてしまいます。

収益性が低い

広い面積で同一品目を育てる方が生産効率が上がり、収益性も高くなります。しかし小さな農業では複数の品目を手がけることが多く、そのぶん収穫や出荷準備の手間も増えるため、収益性が低くなるといえるでしょう。

小さな農業の学び方

「小さな農業についてもっと詳しく知りたい」
「小さな農業の始め方を知りたい」

このように思っている方は本やセミナーでより詳しく学ぶことができます。
気軽に話が聞ける農家の方が身近にいない場合や、とりあえず概要を知りたいという方は、本やセミナーで知識をつけるのが良いでしょう。

「本」から小さな農業を学ぶ

「小さな農業」についての本はいくつも出ていますが、その中から3冊をピックアップしました。どの本も分かりやすいため初心者の方にもおすすめです。

①『小さい農業で稼ぐコツ』

http://shop.ruralnet.or.jp/b_no=01_54015136/

自称日本一小さい専業農家になった西田栄喜さんによる1冊。30aの畑で年間50種類以上の野菜を育て、野菜セット・漬物などをオンラインを中心に販売しています。1年中、絶えず収穫できる野菜づくりや加工食品の生産、自分らしさをアピールする売り方など小さい農業で稼ぐコツがたくさん詰め込まれています。

西田さんは「なんでも買う世の中だからこそ、これからは手づくりの知恵を持っている農家がますます羨ましがられる時代になる」とおっしゃっています。

②『多品目少量栽培で成功できる!! 小さな農業の稼ぎ方 – 栽培技術と販売テクニック』

https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-08-EK-0525898

「農業は儲からない」「軌道に乗るまで時間もながく、借金もしなければならない」など農業に対するネガティブイメージを覆す「多品目少量栽培」で成功できる方法を紹介しています。単身者もしくは夫婦で年商1000万を稼ぐ具体的な栽培方法や経営をまとめており、どのような品種をどう作付するかが分かる作付けカレンダーや出荷形態など「ここ気になる!」という部分を詳しく解説しています。
これから農業を始める人にぜひ読んでほしい1冊です。

③『自然を楽しんで稼ぐ小さな農業 畑はミミズと豚が耕す』

https://www.tokyo-kansho.co.jp/asp/book/book_detail/?id=2bf27a23d324381e668623a508605634

多品種・有畜・小規模有機農家が、小さいながら強い農業で理想の生活スタイルを手に入れる方法を綴っています。種子の作り方、パンの焼き方などの実践マニュアルも収録されています。
家畜やミミズに土づくりを任せることで環境に優しく手間もかかりません。
2017年、農業についてのジャーナリズム作品としてサルスメディア賞にノミネートされた作品です。

「セミナー」で小さな農業を学ぶ

「小さな農業」は、セミナーでも学ぶことができます。近頃はオンラインでの開催やYouTubeでのアーカイブ視聴も可能になっている講演が多いため、いつでもどこからでも参加することができるようになりました。
リアルタイムな話が聞けるセミナーは、小さな農業を学ぶにあたっておすすめです。

①マイナビ農業

マイナビ農業では、無料のオンラインセミナーを定期的に行なっています。テーマは毎回異なるので、こまめにチェックしておきましょう。

②自治体主催の農業セミナー

各都道府県では、新規就農者や今後農業を始めたいと考えている人向けに、無料のセミナーが開催されています。例えば「三重県地域連携部地域支援課」や「名張市」などでは定期的にオンラインセミナーを実施しています。お住いの地域でも開催されている可能性があるので、確認してみましょう。

まとめ

世界や日本で注目されている「小さな農業」は、今後も人気が高まることが予測されます。
そこにはデメリットもありますが、それ以上にメリットがあるといえます。
また小さな面積の畑で農業を行うため、初期費用や労力が大規模農業に比べてかかりません。
これから農業を始めようと思っている方は、小規模農業を始めてみてはいかがでしょうか?

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