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市販のものとは一味違う。自家栽培の野菜がおいしいのはなぜ?

よく「採れたての野菜は美味しい」「家庭菜園で自分が手塩にかけて作った野菜は格別」「市販のものとは味が違う」などと言われますが、本当なのでしょうか?この記事では、市販と自家栽培の野菜の主な違いや、自分で収穫した野菜が美味しいと感じる理由について検証してみたいと思います。

目次

自家栽培の野菜が美味しく感じる理由は?

自分が作って収穫した野菜が美味しいと感じるのは、主に次の2つが理由だと思われます。

  • 完熟の状態で収穫している
  • 採れたてが味わえる

具体的にどんなことなのか、みていきましょう。

市販のトマトは青いうちに収穫している?

スーパーに並んでいるトマトが、まだ少し青みがかっているのを目にすることがあると思います。これは、完熟状態だと輸送時に傷みやすいため、消費者に届く日を逆算して少し青い状態で収穫し、輸送中に追熟させているからです。青いうちに収穫しても、常温で保存すれば果実内のデンプンが糖に変わり、ちゃんと熟してくるのです。バナナやイチゴなどの果物も同じ手法が用いられています。

完熟させてから収穫した野菜はなぜ美味しい?

輸送の心配がないので、家庭菜園ではトマトが樹になった状態で完熟を待つことができます。そして、樹上で完熟したもののほうが味が濃くて美味しいと感じるはずです。それは、根っこや葉が作った栄養分が、実にしっかりいきわった状態だからだと言われています。

完熟の状態で収穫するには?

トマトの場合は、実全体が赤くそまってから更に数日おくと完熟状態になります。見分け方は、手でもぎとろうとしたときに簡単にヘタが外れるかどうかです。実がついてから完熟するまでの期間は、天候などが大きく関係するので、一概に「約〇日後」とは言えません。なので、日々よく観察して採り頃を見極めましょう。しかし、雨が降るとすぐにひび割れしたり落下したりするので、雨が降りそうなときは、まだ少し青くても収穫することをおすすめします。

また、ジャガイモや里芋は葉や茎がすっかり枯れるまで待ってから収穫すると、葉の養分が芋にいきわたり、美味しい芋になります。タマネギなども同じく、葉っぱが倒れた後しばらく待ってから収穫すると甘みが増します。

農家が完熟を待たない理由は?

では、完熟を待てば食味がよくなるのに、プロの農家が早採りをするのはどうしてなのでしょうか。ひとつは、前述したように輸送時の傷みを避けるためです。完熟野菜は柔らかく、輸送時の振動で簡単に傷がついてしまいます。また、収穫後も茎などに水分が残っていれば野菜は成長し続けます。例えばブロッコリーなどは、茎から切り取った後、しばらく置いておくと黄色く変色し、花が咲いてしまうこともあります。

そして、完熟した野菜に総じて言えるのは、虫や鳥に狙われやすく、病気も発生しやすいということです。少々のひび割れや虫食い痕があっても、家庭菜園としては十分食べられますが、さすがに売り物にはなりません。このように、農家さんが少し早めに収穫するのには、さまざまな理由があるのです。

しかし、少量を収穫し、すぐに調理できる家庭菜園では、完熟を待っていちばん美味しい状態で食べることができるというわけです。

長期保存するなら少し早めの収穫を

家庭菜園でも食べきれないほど豊作になったら、少し早めに収穫するのがおすすめです。収穫時期を逃して、肥大しすぎたり硬くなってしまうよりは、家の中に入れて追熟をゆっくり待つほうが美味しく食べられます。サツマイモやジャガイモなどもいつまでも畑においておくと、虫やモグラなどに食べられてしまったり、湿気で病気になることも。すぐに食べるぶんだけ畑に置いておき、貯蔵分は少し早めに掘り上げて涼しいところに保管しておくと、長持ちします。

みずみずしさも美味しさの大事なポイント

ここまでは「家庭菜園の野菜は、完熟で収穫できるから美味しい」ということについてお伝えしてきました。これは主に、果菜類や芋類にあてはまる話です。では、その他の根菜類や葉物、豆類などについてはどうなのでしょうか。

実は、追熟しない野菜については断然「採れたてが美味しい」ということになります。その秘密は「みずみずしさ」にあります。

鮮度のよい野菜とは

野菜は「鮮度がよい」とか「鮮度が落ちる」とか言いますが、これを見分けるには作物にどれだけ水分が残っているかをみるとよいでしょう。ほとんどの野菜は、収穫後も呼吸し続けます。しかし、収穫後は外部から水や栄養を補給できないため、自分の体内にある水分や栄養分を放出することになります。そのため徐々に乾燥し、劣化していくのです。

乾燥は空気に触れている表面から進んでいくので、スーパーの野菜を購入するときは、キャベツや白菜はなるべく外葉がたくさんついているものを選ぶと、水分の蒸発が最小限に抑えられ、中身はみずみずしい状態であることが多いです。同じ理由で、白ネギやゴボウは泥付きで売られているものがおすすめです。

朝採り野菜が美味しいと言われるのはなぜ?

よく「朝採りの野菜が美味しい」と言われるのにも、水分量が関係しています。朝の野菜には水分がたっぷり残っていますが、日中は蒸発してしまいます。そこで野菜に「みずみずしさ」を求めるなら、「朝採りがいちばん美味しい」ということになります。しかし、野菜の美味しさには糖度や窒素分も関係しており、光合成をする昼間と、していない夜間によって糖や窒素がどれくらい野菜内部に残っているかが変わってきます。ただ、わたしたちが野菜を食べたときに、その微妙な変化を感じるとることができるかは疑問です。その点みずみずしさは野菜の見た目にはっきり現れるので、鮮度をはかるには、わかりやすい指標と言えます。

野菜がスーパーに並ぶまでどのくらいの日数がかかっているの?

家庭菜園では、採れたてでみずみずしい野菜をすぐに口に運ぶことができますが、スーパーに並んでいる野菜は、一般的に収穫してから3〜5日は経っています。収穫した野菜を店頭に並べるには泥や根っこ、余分な葉などを取り除く調整作業が必要で、袋や箱に詰めるのも時間がかかるものです。その後、JAなどの集荷場で検品され、輸送し、更に市場や仲卸業者を経由してから店頭に並べられるとなると、やはりこのくらいの日数はかかってしまいます。しかし、近年は野菜のパッケージが工夫されていたり、輸送技術が発達しているため、「スーパーの野菜=新鮮ではない」という考え方は少々乱暴すぎるのかもしれません。

では、直売所の野菜はどうなのでしょうか。直売所の野菜もやはり調整作業は必要なので、前日に収穫〜調整まで済ませておいて、当日朝は袋詰めだけして出荷、というパターンが多くなります。また、夏の露地野菜は、早朝収穫すると朝露でビッショリ濡れていて、調整に余計な手間がかかるため、現実的に朝採りは敬遠されます。なので、特に「朝採り」とうたっているトウモロコシ(朝といっても真っ暗なうちに収穫されている)などの一部のものを除いて、ほとんどの野菜は前日に収穫されていると思ったほうがよいでしょう。というわけで、直売野菜の鮮度は「スーパー以上、家庭菜園未満」ということになります。

まとめ

自家栽培の野菜は、完熟になった状態で収穫し、鮮度の高いうちに調理できるので美味しく感じるということがおわかりいただけたでしょうか?自ら愛情を込めて育てた野菜は、いちばん美味しい状態を逃さず、最高のタイミングで食べてあげたいものですね。

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