農家直伝!野菜を直売所へ出荷するノウハウ教えます
家庭菜園がだんだんと本格的になり、野菜が上手く作れるようになってくると、「これ、もしかしたら直売所や道の駅で売れるんじゃないかな?」と思ってしまうことがあるかもしれません。この記事では、これから出荷に挑戦してみたい、という方のために「作った野菜を出荷してみたいけど、まずは何をすればいい?」「直売所ってどんなところ?」「どんなものを売ればいい?」など、直売所にまつわるあれこれの疑問について、わたしの経験をふまえながらお答えします。
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野菜直売所の種類
直売所の運営形態は様々です。一般的には以下のようなパターンがあります。
- JAの直売所
- 道の駅やレジャー施設内の産直コーナー
- スーパー内の産直野菜コーナー
- 無人販売所
この中で、わたしが出荷経験のあるのは①と②です。①は言わずもがな、地元JAが運営しています。②は自治体の施設であっても、運営は民間企業に委託されていることが多いようですね。④の無人直売所は、個人で運営しておられる方と、何軒かの農家さんが集まって運営されているところがあります。
直売所に初めて出荷するにはどうすればいい?
直売所で野菜を販売するには、運営元との契約が必要になります。
わたしの場合は、JAの白ネギ生産者部会に既に加入していたため、まずは普段お世話になっているJA職員から直売所へ話を通してもらい、店長と面接させてもらいました。このように、最初は直売所の関係者や、直売所に既に出荷している農家さんに紹介してもらうのが、いちばんスムーズです。なぜなら、野菜を販売するのには特に資格が必要ないので、運営側は信頼できる生産者さんに出荷してもらいたいからです。その点、よく知っている人からの紹介なら、安心して取引できるというわけです。
JAの直売所に出荷し始めてからしばらくして、わたしは近くのキャンプ場に併設されている直売所とも契約しました。こちらは紹介ではありませんが、既にJAの直売所に出荷している、ということですぐに契約できました。このように、他で出荷実績がある場合も、スムーズに契約できます。
では、コネも実績もない方は出荷できないのか、というと、もちろんそんなことはありません。自治体や道の駅のHPなどで、出荷者を募集していることもよくあります。まずは運営会社に直接問い合わせてみましょう。そして、面接してもらえることになったら、作った野菜を持っていって、実際に見てもらうのです。契約が済めば、諸手続きを済ませて、早ければ2~3日後から出荷開始できます。
また、人を介して売るのは面倒だ、という方は自分で直売所を作ってしまう、というのもひとつの方法です。実は、自宅の敷地内であれは、無許可で野菜を販売することができます。畑などに無人直売所を設置するにしても、台の上に野菜を並べたり、簡易的な屋根をつけるくらいの小規模な直売所なら、届け出は必要ありません。もし、自宅や畑の立地がよければ、試してみるのも面白そうですね。
直売所に出荷するときにかかる経費
一般的に、直売所と出荷の契約を交わすと生産者会員となり、入会費が数千円必要になります。
これは出荷システムに登録してもらう事務手続きや会員証などを作るための実費です。そして、入会費とは別に毎年数千円ずつの年会費がかかります。こちらは売り場の運営維持費や、生産者の総会開催費用などに充てられます。そして、野菜が売れると、その売上から15%前後の販売手数料が差し引かれます。売上金は1週間~2週間分がまとめて口座に振り込まれることが多いです。
野菜を直売所に出荷するときのルール
各直売所毎に商品を搬入する時間や、売れ残った野菜を引き上げる時間が決まっています。
わたしの利用しているJAの直売所では、出荷時間は朝の7~8時、10~15時となっています。9時に開店するので、開店前後のお客さんで混み合う時間帯を避けて出荷する決まりです。また、売れ残った野菜は、基本的には当日18時の閉店後に引き取りに行くことになっています。売上情報がメールで送られてくるので、その日売れ残りがあるかどうかは、事前にチェックできる仕組みです。閉店後は、売れ残った野菜を顔見知りの生産者さん同士が物々交換している光景をよくみかけます。他の農家さんたちと交流ができるのも、直売所のよいところですね。もう一方のレジャー施設の直売所では、売れ残ったものも状態がよければそのまま2~3日陳列させてもらえます。それでも売れ残れば、スタッフの方がバックヤードに下げてくれます。
また、直売所によっては肥料や農薬の使用について記した栽培履歴書の提出を求められることもあります。
直売所の野菜の値決めや包装のポイントは?
直売所に出荷する野菜は、基本的には出荷規格や梱包のルールはありません。しかし、病害虫の痕があるようなものはNGです。値決めも自分でしますが、やはり周りに出荷されているものと同程度の価格帯にするのが無難です。高くして売れ残るのも嫌ですが、安くしすぎると後悔します。周りと同じ価格でも売れやすくするためには、梱包で見栄えをよくするなどの工夫が必要です。
直売所にはどんなものを出荷すればいい?
せっかく出荷するなら、やはり売れ残るのは避けたいもの。わたしは直売所出荷では次の3つの点に注意して、なるべく全ての商品を売り切るようにしています。
他の生産者と時期をずらして作る
季節野菜は、同じ種類のものが商品棚に並べきれないほどたくさん出荷されていることがあります。なので、種まきや苗を植える時期を通常より少しずらして野菜を作れば、収穫量は少し減るかもしれませんが、直売所ではライバルが少なくなります。
他の生産者が出荷していないものを作る
消費者に馴染みがないものだとなかなか売れませんが、料理好きな人ならよく知っているけど、他の生産者が作っていないようなものを出荷するとよいようです。わたしはバジルやローズマリーなどのハーブを直売所で売っています。ハーブはスーパーなどでは少量しか入っていないのに、結構高い値段がついているので、直売所に手頃な価格で出荷すると喜ばれます。ハーブ類は栽培も簡単なのでおすすめです。
少し手を加えて加工品にする
2つ以上の材料を組み合わせたり、調味料を入れたりしなければ、実は加工品製造・販売の許可は必要ありません。わたしは、ハーブを乾燥させてドライハーブにしたり、さつまいもを蒸して天日干しにした干し芋を販売しています。加工品にすると賞味期限が長くなるので、出荷当日に売れ残りを引き取りに行く手間も省けます。
直売所の野菜が売れやすい時期ってあるの?
直場所もお客さんが多いときと少ないときがあります。次のような日は買い物客が多いので、出荷のねらい目です。
天気のよい日
雨の日はもちろん、暑すぎても寒すぎても買い物客の足は遠のいてしまいます。土日の天気のよい日は、やはりお客さんが多くなります。
スーパーの野菜が高い時期
天候不順などで、スーパーの野菜価格が高騰すると、お客さんが直売所に流れてきます。
お盆や年末年始
こういうときは、天候に関わらず野菜も飛ぶように売れます。
まとめ
直売所は少量でも気軽に出荷できたり、出荷規格が厳しくなかったりするので、野菜販売の初心者さんにもハードルが低めです。
たくさん野菜が採れたときは、よいお小遣い稼ぎになりますし、コツコツ出荷すれば個人でも直売所だけで年間100万円以上売り上げるような方もいらっしゃいます。また、直売所によっては、生産者会員なら無料で参加できる野菜の栽培講習会を催していたり、他県の直売所への視察旅行に参加できたりすることも。
直売所へ行くと、他の生産者さんたちと情報交換できるのも楽しみのひとつです。販売も経験してみると、野菜作りの励みになるので、まずは最寄りの直売所への出荷をぜひ検討してみてください。
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