ハーブ栽培もそろそろ一年の終わりを迎え、冬に向かって対策を始めるころとなりました。晩秋から初冬にかけて寒さ対策をして、大事にしているハーブを、春にまた見ることができるよう、今から準備することをおすすめします。
今回は霜や雪の対策だけでなく、宿根性ハーブなど来春へ向けた養生の仕方もあわせてご紹介していきます。
目次
秋の終わりのハーブ仕事
様々なハーブを春、夏、秋、とそのつどお茶や料理に利用する一方で、
来たるべき秋冬シーズンに向けて行っておきたいこと[ハーブ収穫・前編]ではそれぞれの収穫適期にあわせての保存方法を説明してきました。後半では冬に向けての準備についてふれたいと思います。
冬になっても青々としたままで葉が枯れることなく、休眠状態を保つハーブは多くあるのですが、地上部が完全に枯れてなくなり春になると芽を出し、また成長を始める種類もたくさんあります。そこで気を付けたいのは、地上部が枯れたからといって引っこ抜いてしまわないことです。
元々は野草なので、生育環境さえ合えば何年でも繰り返し生えてくるため、枯れた部分を取り除く程度にして根を傷つけないようにします。
ハーブはギリシャ神話に出てくるほど古くから、我々人類の身近にあった植物で、おそらく暮らしのなかで自然に存在していた草だったのではないかと思います。
日本では雑草と言われる『オオバコ』や『スギナ』等もハーブに含まれるほど。抜いても抜いても生えてきて困ることもありますよね。ただし、ハーブの好まない環境で栽培していると、いつの間にか失せてしまい何度栽植しても根付いてくれないこともあります。
露地栽培ハーブの冬対策とは?
収穫を兼ねて剪定していたハーブですが、今度は積雪などで折れてしまわないように根元から5~10㎝程度を残して刈ってしまいます。剪定した葉などは、根元にマルチングをするように、そのまま敷いておくのもよいです。ただし、ミント系は残った枝の部分から発根する場合があるので、完全に枯れていない状態のままで敷くのは避けたほうが無難です。
葉もので、冬前に枯れてなくなったようにみえるハーブの『チャイブ』など、土の表面だけではどこに植えてあるのか分からなくなってしまうものもあるため、目印にネームプレートなどを設置しておくと、間違って掘ってしまうといったアクシデントも避けられます。
プランター栽培の冬越しは?
プランター栽培のハーブは、室内に入れるか明るければ玄関に置いておくのもよいでしょう。小さめの鉢植えなどの場合は、リビングなどの陽当たりがよい部屋に置くのも観葉植物を思わせオシャレです。
いずれにしても、
暖房が直接当たらない所に置きます。
外で栽培されていたハーブにとって極端な環境の変化は枯れてしまう原因の一つとなります。また、室内に入れたハーブの水やりは、
土が完全に乾いてからあたえるようにします。目安は週に1度程度でよいでしょう。
厳冬期の霜や雪対策として行っておくこと!
ローリエのような屋外に植えられた樹木には、添え木をあてて支え、板など使い雪囲いをすると雪害で折れてしまうことを避けられます。上の写真は、板を使ってローリエを囲っているところです。
手前の箱の中はローズマリーです。
また、積雪がなくても霜により根元が浮き上り、根が凍ってしまうことがあります。
そうなる前に、冷たい風にさらされないよう枯れ葉や刈り取ったハーブなどで根元を早めに覆っておくと霜への対策となります。豪雪地帯は、人はもちろんですが、ハーブにとっても厳しいものです。
まとめ
今回は、来たるべき冬に向けての準備についてご紹介しましたが、私の地域は豪雪で知られる東北なので、メインとなる作業は雪対策という話になりました。しかし、東京などでも積雪が見られることもあるため『備えあれば患いなし』ということでぜひ参考にしてください。
春の芽生えから収穫の夏、秋となり忙しさもひと段落。今度は冬に向けての作業の多さに、ちょっと大変かなと思うこともありますが、翌年もまたハーブを利用、楽しむためにしっかりと準備をしておきたいものですね。