麦類の連作障害はなぜ起きるのか?対策方法も併せてご紹介!
新しい作物を栽培しようとする時や、新しく獲得した農地で栽培を始める時に気になるのが「連作障害」ですよね。麦類でも連作障害は起きるので、様々な対策がとられています。ここでは、そんな麦類の連作障害について、なぜ起きるのか?その対策としてどんな方法があるのかを解説していきます!
連作障害とは
連作障害とは、同じ作物を連続で栽培することで発生する、生育不良や収穫量の低減、病害の発生等が起きることを総称する言葉です。連作障害がある作物とない作物がありますが、麦類の場合、連作によって発生する病気は、立ち枯れ病、大麦縞萎縮病(おおむぎ しま いしゅくびょう)、小麦縞萎縮病、麦類萎縮病などが挙げられます。
連作障害がない作物で一般的なのは水稲ですが、畑作物でも日本で連作障害が観測されていない作物(例:綿)もあります。また、連作障害と言われる現象は起きていても、供給量に影響を及ぼすほどの被害ではない作物(例:さとうきび)もあり、作物の種類によって様々です。
麦類の連作障害はなぜ起きるのか
麦類の連作障害が起きる原因を一言でまとめると、「連作により、土壌環境が変化したため」です。もう少し詳しくお話しすると、
①作物が土壌に含まれる特定の養分を吸収したり、根から土壌に物質を出したりすることで、土壌の養分バランスが崩れるため。
②作物の根に、微生物が偏る「微生物相」ができることで病気が発生するため。
以上の2点が挙げられます。これは麦類に限らず、一般的に畑作物を連作する限り被害程度は異なりますが、連作障害と言われる現象は発生していると考えられています。
こうした①②のような現象は、畑作で発生しますが、水田では発生しません。水田では湛水と落水の時期があるため、環境が大きく変化し、安定した土壌を保つことができるからです。
土壌環境が目に映ることはありませんが、作物を栽培する限り、絶えず変化し続けているのですね。
麦類の連作障害の対策方法
では、麦類の連作障害の対策としてどんな方法があるのか、ここでは「抵抗性品種への切り替え」「輪作体系の導入」「緑肥作物の立毛間播種」の3パターンをご紹介します。
▼ 抵抗性品種への切り替え
麦類の連作障害対策として、抵抗性品種への切り替え例(一部)を下の表にまとめました。
先ほどご紹介した大麦縞萎縮病は、小麦では発生しない病気なので、大麦から小麦に転換するだけでも病害の発生を防ぐことができます。麦種の切り替えができる方にはこちらの方法もおすすめです。
▼ 輪作体系の導入
今後、規模が拡大すると考えられる「水田転換畑」においては、「水稲ー小麦ー大豆」の2年3作体系(水田輪作体系)も連作障害の対策の一つです。ただ課題としては、徹底した排水管理やそれぞれの作物に対応した機械装備が必要なので、難しい取り組みでもあります。
4月〜10月まで水稲、10月〜翌年6月まで小麦、6月〜12月まで大豆という栽培スケジュールになります。地域ごとに違いはあるようですが、麦の収穫と水稲の移植、麦の播種と大豆の収穫で作業が重なることがあります。とはいえ、輪作は機械投資や排水装備に投資が必要なので、経営規模にあわせて検討されるのが良いかと思います。
▼ 緑肥作物の「立毛間播種(りつもうかんはしゅ)」
最後に、緑肥作物のクローバーをすき込むことで土壌条件が改善され、連作障害の回避につながった研究結果をご紹介します。
「立毛間播種」とは、作物の条間に別の作物を播種し、間作することをいいます。この研究では、緑肥作物のクローバーを小麦の出穂前に播種し、クローバーの生育が盛んになる夏(小麦収穫後50日程度)に畑にすき込んでいます。
連作3年目ですき込み区と無すき込み区で比較すると、クローバーをすき込んだ圃場では連作障害は見られず、すき込まなかった圃場では連作障害が観測されています。
もちろん、効果的な施肥設計は必要ですが、このような緑肥作物を使った連作障害の対策は他にもいろんな事例があります。輪作が難しいような農家さん、農業法人の方はぜひ検討してみてください!
まとめ
連作障害は麦類に限らず、他の畑作物に共通する内容なので、今回ご紹介した「連作障害が起きる原因」を参考に、作付状況を振り返ってみるのもいいかもしれません。
輸入小麦の価格高騰で、国産小麦の引き合いが出るのでは?ともニュースになっていますので、小麦栽培を始める農家が増えることも考えられます。本記事が麦類の連作障害の対策を考えるのに、少しでも参考になれば嬉しいです!
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