アルミブリッジの選び方の5つのキホン
こんにちは。ノウキナビ事務局の神林です。本日はトラクターやコンバイン、田植機、管理機などの農機具をトラックなどの運搬車両に載せ降ろしする際に大活躍の「アルミブリッジ」の選び方について記事を書いてみます。用途にあったアルミブリッジを選ぶ上で、5つの大事なポイントがあります。選び方を誤ってしまうと安全にご利用いただけませんので、アルミブリッジの購入を検討している方はぜひ御覧ください。
アルミブリッジとは
アルミブリッジとはその名の通りアルミ製のブリッジ(橋)です。
通常トラックなどの運搬車両に載せ、農機具や重機などを運搬車両に載せ降ろしする際に利用します。
また、一部の畦越し(あぜごし)用ブリッジのように、田んぼの畦をわたり田んぼ内にトラクターや田植機、コンバインなどを移動する用途などにも利用されているものもあります。
アルミ製品製造メーカー何社かが商品販売しており、軽量だけど重機のように重い機械にも耐えられる設計がされています。
アルミブリッジにはたいてい「最大耐荷重」が設定されており、例えば「4t アルミブリッジ」であれば、最大4tまでの重量の機械(乗用機械の場合にはオペレーターなどの重量も含む)が乗っても耐えられるような設計がされています。
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アルミブリッジの種類
アルミブリッジにはいくつかの種類があります。
ロングタイプ
一般的なアルミブリッジで、長くまっすぐなアルミブリッジです。トラクターやコンバイン、ユンボや大型重機などの重量が大きい機械にも対応しているものがあります。なかには最大重量40tまで対応しているものなどもあります。長さはまちまちで短いものだと1.8mの軽トラの荷台に収まるタイプ。長いものだと4m弱あるものもあります。
幅広タイプ
通常、アルミブリッジは2本1セットで使うことが多く、タイヤ幅+α程度の幅のアルミブリッジを2本使います。しかし、ブリッジの間は空いていますので、脱輪し落下する危険性が伴います。機械の取扱に慣れている方にはなんてことのない作業でも、帰省時にたまに機械を扱う程度の不慣れな方などには、軽トラへの機械の載せ降ろしはおっかない危険な作業でもあります。そんなときに、幅広タイプのアルミブリッジであれば、脱輪や落下の恐怖が軽減されます。トラクターやコンバインなどの大型機械用の幅広ブリッジは少ないですが、管理機や自走式草刈機であれば、1本で載せ降ろしができるほどの幅広のブリッジも販売されています。
折りたたみタイプ
ロングタイプのアルミブリッジを折り畳めるようにして、コンパクトに収納できるようにしたアルミブリッジです。例えば、幅広タイプのアルミブリッジを横半分に折り畳めるようにすれば、軽トラの荷台でも場所を取りません。長いアルミブリッジを縦に折りたためば、軽トラのような短い荷台にも収まります。収納・持ち運びの利便性に特化したものが折りたたみタイプです。
あぜごしタイプ
田んぼの畦から水路を越えて田んぼに入る畦越しをする際のブリッジです。畦越し用なのでそこまでの長さは不要なため、短めのモデルとなっています。短めのモデルゆえ、トラックなどへの載せ降ろしには傾斜角度が急で利用できません。畦越し用と考えたほうが良いでしょう。
アルミブリッジを製造しているメーカー
アルミブリッジを製造・販売をしているメーカーはいくつかあります。
昭和ブリッジ販売
名前にもブリッジと入っているようにアルミブリッジを主事業として展開されているメーカーです。静岡県掛川市に本社があります。他にもアルミ製のコンテナカーやリヤカー、苗箱収納棚なども製造販売しています。
日軽金アクト
日本軽金属グループの日軽金アクト株式会社です。アルミブリッジだけでなく、多種多様なアルミや金属製品の製造・販売をしています。
鳥居金属興業
鳥居金属興業は住宅関係製品の販売をしているメーカーですが、農機・重機用のアルミブリッジの製造もしていました。しかし、令和4年3月にアルミブリッジ市場からの事実上の撤退のお知らせを出されていますので、今後の選択肢には入らないでしょう。
今回の記事では、アルミブリッジに主軸を置く「昭和ブリッジ販売株式会社」製品を中心にご紹介していきますが、各社アルミブリッジの基本的な仕組みや構造、考え方は同じですので、考え方は使い回せると思います。
アルミブリッジの選び方の5つのキホン
ここからはご自身の用途にあったアルミブリッジの選び方についてご紹介していきます。大きく5つのキホンがあり、これらはすべてマストで抑えましょう。いずれも「安全面」に配慮した基準となっておりますので、これらを守らないと怪我をしたり、大事故につながるおそれがあります。ひとつずつ、確認してください。
1,足回りにあったアルミブリッジを選びましょう
例えば、コンバインでしたらゴム製のクローラ(ゴムシュー)、トラクターでしたらゴムタイヤ、金属製シューの重機や、金属小タイヤの畦草刈機など、機械によって足回りは様々です。足回りの種類に応じたアルミブリッジを選ぶ必要があります。
アルミブリッジのシリーズによって、対応足回りが異なります。例えば、GP-Sシリーズであれば、「鉄シュー・ゴムシュー」の足回りの機械に対応しています。SBAシリーズであれば、「ゴムシュー・ホイール」などに対応しています。
シリーズ別の一覧表を作成しましたので、参考に御覧ください。
2,最大荷重に耐えられるアルミブリッジを選びましょう
冒頭でも少し記載しましたが、アルミブリッジの強度が利用予定の機械の総重量+オペレーター重量、ロータリーなどアタッチメントをつけている場合はその重量を足した総重量よりも強いか確認しましょう。メーカーHPや取扱説明書に記載のトラクターの重量は、本体のみの重量であることが多くロータリーの重量は含まれていないことがあるのでお気をつけください。強度不足の場合、最悪のケースではブリッジの破損や機械の転倒落下、重大な事故につながる可能性があります。
3,トラックなどの運搬車両の受け金具の有無を確認しましょう
アルミブリッジをトラックなどの運搬車両に取り付ける機構には次の3種類があります。
- ツメ
- セーフベロ
- ベロ・ツメ
トラックに「受け金具」がある場合には「ツメ」タイプ及び「ベロ・ツメ」タイプが利用できます。トラックに受け金具がない場合には、「セーフベロ」モデルを利用し、トラックの荷台に止め金具(ストッパー)を使い設置することになります。トラックの受け金具の有無を確認するようにしましょう。また、受け金具の上部から荷台床面までの高さ(=A寸法)は50mmがベストです。
4,安全に載せ降ろしができるアルミブリッジの長さを確認しましょう
トラックなどの運搬車両にアルミブリッジを使ってトラクターやコンバインなどを乗せる場合、アルミブリッジの長さによって傾斜角度が変わります。ブリッジが短ければ短いほど、運搬車両の荷台床高が高ければ高いほど急な角度になります。安全に利用するためには約21度以内の登坂角度にすることが推奨されています。
ツメタイプの場合
ブリッジの全長が荷台床高の2.8倍以上の長さのアルミブリッジにすることで、安全な登坂角度を確保できます。
セーフベロタイプ及びベロ・ツメタイプの場合
ブリッジの全長が荷台床高の2.8倍+150mm以上の長さのアルミブリッジにすることで、安全な登坂角度の確保が可能です。
ケーススタディ
例)軽トラ:平均荷台床高650mm ツメタイプの場合
650mm ×2.8 = 1,820mm
1,820mm以上のブリッジの利用が推奨されています。
5,安全に載せ降ろしができるアルミブリッジの幅を確認しましょう
長さと合わせて確認したいことは、アルミブリッジの有効幅です。商品にもよりますが、ブリッジの外側は構造を支えるフレームとなっており、荷重がかかることを推奨されていません。それぞのれ商品に「有効幅」が設定されています。お手持ちの農機や建機のタイヤやクローラの幅が、有効幅マイナス50mm以下である必要があります。
ケーススタディ
例)全幅494mm、有効幅400mmのアルミブリッジの場合
400mm – 50mm = 350mm
350mm以下のタイヤ幅の機械に対応しています。
以上5つがメーカーが推奨している安全に関する基準です。上記の5つについては必ず理解いただき、いずれも基準内のものをご検討下さい。
昭和ブリッジ製アルミブリッジの型式から必要な情報を見つける方法
昭和ブリッジの商品に関して、型式からある程度情報を読み解くことができますので、ご紹介します。
ケーススタディ:GP-285-40-3.5S
昭和ブリッジのGP-Sシリーズ、GP-285-40-3.5Sという商品について考えてみます。
商品の型式は、アルファベット-3桁数値-2桁数値-小数点1位までの数値-アルファベットという構成になっています。一部商品は最後のアルファベットがない場合もありますが、概ねこのルールに則って型式が発行されています。
それぞれ、以下を表しています。
最初のアルファベットGP:GP-Sシリーズ
商品シリーズごとにアルファベットが割当られています。GPであればGP-SシリーズやGP-Tシリーズ。SBAであればSBAシリーズのようにです。シリーズによって対応足回りが異なります。まずは自身の機械にあったシリーズを調べることが近道です。
3桁数値285:全長2,850mm(10mm単位)
最初に出てくる3桁の数値は「全長」を表しています。10mm単位ですので、285の場合は全長2,850mmを表します。先程の基準で言えば、ツメタイプの場合は約1000mmの荷台床高の運搬車両でも安全に登坂できます。
2桁数値40:有効幅400mm(10mm単位)
次に出てくる2桁の数値は「有効幅」を表しています。40の場合は400mmの有効幅です。実際のタイヤ幅はこれより50mmマイナスした350mm以下であれば安全にご利用いただけます。
小数点1位までの数値3.5:最大積載重量3.5t
型式の最後に出てくる数値3.5は最大積載重量を表しています。3.5の場合は3.5tまで対応です。機械だけでなく、アタッチメントや乗組員の重量などの全てがこの数値以下である必要がありますので、よくご確認下さい。
最後のアルファベットS:セーフベロタイプ
機種によってはこのアルファベットが無いモデルもありますが、Sはセーフベロモデル、Tはツメモデルです。
型式を確認することで、上記のようにアルミブリッジのスペックがわかります。アルミブリッジの選び方5つのキホンで書かせていただいた、「足回り(=シリーズ)」「最大積載重量」「受け金具の有無(=取り付け方法)」「全長」「有効幅」が型式からわかるようになっていますので、型式をみることである程度商品選びができるように設計されています。
機械別おすすめのアルミブリッジ
ここまで、一般的なアルミブリッジの選び方について説明しました。ここからは、私が考える機種別のおすすめブリッジシリーズをご紹介します。
トラクター(ホイールタイプ)やコンバインにおすすめのアルミブリッジ
ホイールタイプのトラクターやコンバインなどの大型農機におすすめのアルミブリッジは「SBAシリーズ」です。最大5tまで対応している商品もありますので、だいたいの商品はカバーできます。SBシリーズに比べ、ブリッジのステップ間隔も狭くなっていますので、人間が歩く際にも安全です。
乗用田植機におすすめのアルミブリッジ
昭和ブリッジからは乗用田植機専用に開発された「FAシリーズ」があります。0.8tまで対応しステップ間隔が極小になっており、また有効幅も余裕を持った設計で人が支えながら登る場合にも安心です。
管理機などの小型農機におすすめのアルミブリッジ
管理機などの小型農機の場合、人が手で支えながら載せ降ろしする前提となりますので、ステップ間隔が無く落下のおそれが少ないブリッジがおすすめです。「SGN」シリーズは、ステップ間隔が無くつながったブリッジで、ブリッジ表面にも滑り止め加工がされているため安心です。軽トラに収まる1800mmサイズで、持ち運びにも便利です。
畦草刈機(スパイダーモア)におすすめのアルミブリッジ
畦草刈機(スパイダーモア)やオートモアなどの自走式草刈機はある程度横幅もあり、タイヤが小さいという特徴があります。そのため、有効幅が広く、ステップ間隔が少ないものであればタイヤが溝にハマることもありません。人も手押しで昇降をサポートするため、ステップ間隔が狭く、1本で済むものが安全です。「SHAS」シリーズは幅広でステップ間隔が約8mmとほとんどありません。自走式草刈機に最適なアルミブリッジとなっています。
アルミブリッジの選び方まとめ
今回の記事では、農機や建機の運搬によく利用されているアルミブリッジについてまとめてみました。農機をお持ちの農家なら、1農家に1セットはあるアルミブリッジ、意外と正式な選び方を知らない方もいるのではないでしょうか?
大型で重量のある機械を運搬する都合上、安全性の配慮から、基準にあったアルミブリッジを選ぶようにしてください。この記事が参考になれば幸いです。
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