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SDGs 里山再生における草刈りの重要性

昨今、里山の荒廃が進んでいます。SDGsの目標15 「陸の豊かさも守ろう」にあるように、里山の生態系を守り、再生し持続可能な方法で利用することが急務となっています。里山が荒廃によるデメリットから里山再生活動の実例を紹介し、人間が草刈り等、手入れをすることの重要性をお伝えします。

目次

里山とは?

 

里地里山とは、山地と人々が生活する宅地の間に位置する中間地で、雑木林や農地、ため池など、人が長年利用し干渉することで作り出された自然のことを言います。

かつて、里山では人々の暮らしを支えるための燃料として薪や炭を利用してきました。そのため枝打ちや間伐など約10~20年で里山のは木々は更新され、落ち葉も腐葉土として利用されてきました。畑や山菜、木の実など食料も得てきました。しかし、ガスや電気、化学肥料の普及、農林業の担い手不足で里山は荒廃し、それによって様々な環境の変化が起きています。里山の荒廃が現代の私達にどんなデメリットがあるのか解説していきます。

里山荒廃によるデメリット

1.生態系の破壊

里山は豊かな生物多様性を支える場所ですが、荒廃するとその生態系が崩れる恐れがあります。近年、侵略的外来植物が急激に分布を拡大しており、かつて里山であった場所にも旺盛に繁茂しています。アレチウリやオオキンケイギク、セイダカアワダチソウなど、外来植物が、もともと生えていた植物を覆うように生えて枯らしてしまったり、在来植物が駆逐されて個体数を減らしています。それによって、在来植物に集まる昆虫類も減少しています。

2.農作物への影響

近年カメムシが大量発生しています。原因は気象条件等の変化など様々な要因がありますが、休耕地や雑草地はカメムシのすみかとなるため、カメムシの大量発生の原因の1つと考えられ、農作物の被害、稲作への悪影響は深刻です。稲の穂にカメムシがつき、養分を吸い取ることで米が黒い斑点米となり、品質が低下し農家の収入に影響します。私の家も大豆を育てていますが、農薬を散布せずにいたらカメムシにより吸実され、ほとんど実が入っていない状態になったことがありました。

3.野生生物の出没

ここ数年、野生生物が住宅地へ出没したというニュースを頻繁に目にするようになりました。特に熊による人身被害の発生件数は令和5年度は過去最多となっています。環境省のデータ、熊が市街地までの移動ルートをたどった資料によると「森林から河畔林など奥山から続く緑地を利用して人の生活域周辺部の林縁まで出没している」とあります。里山が荒廃したことにより、森林や河畔林から緑地が住宅地付近まで広がり、茂みに隠れて熊が侵入しやすくなり、活動域が人の生活圏に近づいたことが人との接触の要因となっています。

4.自然災害のリスク

里山では人々の暮らしを支えるための燃料として薪や炭を利用してきました。そのため枝打ちや間伐など里山の木は手入れされ、程よく太陽の光が地表に届き、健康な木が育っていました。今は里山の荒廃により、木々は50年以上放置され、太陽光も行き届かず貧弱な木が育ち、保水力も低下して台風が来た時に根こそぎ木が倒され土砂崩れ等の災害となるリスクがあります。

5.景観の劣化

里山は緑と住宅が調和する里山特有の美しい景観を作り出してきました。しかし里山が荒廃した地域では、雑草が生い茂り、木々も鬱蒼とジャングル化し景観としても悪くなり、更に人々の足が遠のき悪循環となっています。里山の景観は人々によって作り出された文化的な景観であり、貴重な景観資源でしたが失われつつあります。

里山を再生させるために必要なこと

冒頭に触れましたが、SDGsの目標15 「陸の豊かさも守ろう」 人と自然の共生する里山再生を推進する活動をするために何が必要か。長野県上田市で20年ほど前から荒廃した里山を再生し活動している実例をヒントに、里山を再生させるために何が必要か紐解いてゆきます。

荒廃した里山を再生

上田市の虚空蔵山の麓に現在、季節の花々やフジバカマや野アザミなど蝶の食草などを植え、「ゆうすげと蝶の里」として2006年からボランティアの皆さんが整備し、里山を復活された里山があります。かつて昭和30年頃までは、虚空蔵山の中腹まで桑畑が広がり、人が里山を利用していましたが、桑畑を利用する養蚕の衰退等により里山の利用が無くなり、その後新幹線建設の残土や資材置き場となり荒れ果てていたところを地元の有志ボランティアが草刈りから始め、土地を耕し、蝶の食草や桑を植え、あずまやを作り住民が気軽に立ち寄ることが出来るようにしました。年間80種類余りの蝶が観察出来るようになりました。渡り蝶のアサギマダラが飛来する時期には多い時で150頭余りの蝶を見ることが出来ます。

現在は近くの保育園・小学校の自然観察の場として利用され、西部地区公民館の自然観察イベント、上田地域広域連合の自然観察クラブの学習の場所として利用されています。取材した時期は桑の実が熟す季節で、近くの小学生の親御さんが訪れ、ボランティアの方と採取していました。小学校では蚕の飼育を学習していますが、桑の葉を子供達がいただきに来たり、放課後自然の中で遊んでいる姿が見られます。

草刈り・手入れの重要性

ゆうすげと蝶の里代表の清水卓爾氏によると、里山は人の手入れがあってこその里山であるとのこと。手入れせずにいると雑草があっという間に生い茂り、里山の生態系が崩れ荒廃が進んでしまうそうです。ゆうすげと蝶の里でも、活動の基本はまず草刈りを定期的にしているそうです。下草刈りし植栽を地道に行うことで、生物の多様性が保たれ、また景観も良くなり人々が利用をすることで持続可能な里山となるということがわかりました。

今後の里山再生・保全に必要なこと

今後の里山の再生・保全に必要なこととして、里山の荒廃が私達の生活にどのような影響があり、持続可能な里山を保持するために大切なことを学習し実行する人材の育成と確保が重要です。また、自治体や教育機関との連携だけでなく、企業等の協力も募って幅広いネットワークを構築して取り組みことで継続的な里山再生や里山保全が可能になると思います。

まとめ

日本の原風景でもあり、文化でもある里山。里山の荒廃が私達の生活にも影響を及ぼしていることがわかりました。里山を再生し、保全することで得られるメリットは大きいことを再認識し、私達の未来のために出来ることを模索していきたいと思います。

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この記事を書いた人

ノウキナビ セールスコミュニケーター
コールセンターでお客様のお電話をお受けしております。
お話すること・歌うことが好きです。趣味はガーデニング・フラワーアレンジメント・古民家カフェ巡り。庭で育てた花を生けたり、ハーブティーを作っています。畑で穫れた大豆で味噌や醤油も作っています。

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