農家さん必見!異常気象に負けない対策
はじめに
近年、気候変動により世界中で異常気象が頻繁に発生しています。
日本も例外ではなく、夏の長期間にわたる高温や冬の記録的な大雪が、農業に大きな影響を及ぼしています。
このブログでは、異常気象が農業に与える影響と、農業従事者がとるべき対策について考えていきたいと思います。
実践できる具体的な対策の例をいくつか挙げ、持続可能な農業への道筋を探っていきましょう。
異常気象が与える影響
異常気象は、農業に大きな影響を与えています。
長雨や豪雨は作物の生育を妨げ、洪水による田畑の浸水は収穫量を大幅に減少させます。
一方で、干ばつは水不足を引き起こし、水田や畑作物の収穫量に大きな打撃を与えています。
また、予測不能な気温の変動は、作物の生育サイクルを乱し、害虫の増加により作物が病気にかかることも多くあります。
異常気象とうまく付き合っていくために
このような異常気象が続く今、異常気象とうまく付き合っていくためには何ができるでしょうか?
気象の変化は天気予報などによって事前にある程度の予測ができます。
天気予報をうまく利用して、安全なうちに出来る限りの対策をすることが重要になってきます。
また、被害にあってしまった後は適切な処置を早急に行う必要があります。
作物別にどのような対策・処置が可能か見ていきましょう。
異常気象への対策
異常気象への対策は、被害にあう前、被害にあってしまった後の状況によって、
適切に判断し、対策を行う必要があります。
対策を行うことは大切ですが、身の安全を一番に考えて、安全に行動をしましょう。
ここでは作物の種類別に考えていきたいと思います。
水稲
【台風対策】
事前対策
・強風を見越して、水深を深めにし、稲の倒れと乾燥を防ぐ。
・刈取り時期が来ている場合は早めに収穫をする。
事後対策
・水が溜まっている場合は迅速に排水を行う。
・成熟した状態で倒れている稲は、出来るだけ早く刈取り、特定の品種は特に発芽のリスクに注意。
・穂が倒れている場合は、穂先が水に沈まないよう、茎や葉の上に稲穂をのせて通気性が良い状態にする。
・倒れた稲の損傷が無いようなら、5~6本ほどでそっと束ね、寄せ合うように立てる。
栄養が不足している場合は、液肥を利用し、草勢を回復させる。
【高温と乾燥の対策】
・水漏れがないかを確認しながらの灌漑を行い、水管理を徹底する。
・登熟期の高温は稲の品質を下げるため、土が乾かないように心がける。
【長雨と日照不足の対策】
・いもち病に対する注意と早期の防除。
・刈り取りの最適時期は籾の黄化と積算温度を基準にする。
野菜
【台風対策】
事前対策
・ハウス栽培は密閉し、露地栽培は支柱の強化を行う。
・排水が適切に外に流れるよう、排水系統を整備。
事後対策
・速やかに排水と草勢の回復を目指す。
・風雨で損傷した場合、殺菌剤による予防的な防除を行い、早めに収穫する。
【高温と乾燥の対策】
・定期的に水やりを行い、土壌の湿度を一定に保つ。
・春の高温時は、温度管理のためにハウスの開閉を適切に行う。
【長雨と日照不足の対策】
・生育の遅延に対応し、適時に追肥と調整を行う。
・初期の病害発生に対し、早めの介入で対処。
【降ひょうの対策】
・降ひょう後の病害を防ぐために予防的な殺菌剤散布。
・被害を受けた植物は適切に剪定して回復を助ける。
【雪害の対策】
・ハウスの強化と、早めの雪の除去で被害を最小限に。
・雪の重みで発生する損害を防ぐための対策を施す。
豆類
【台風対策】
事前対策
・排水の確認と強化、支柱での補強を行う。
事後対策
・倒伏した豆類を適切に扱い、水が溜まらないようにする。
・水浸しの場合は迅速な排水と殺菌剤の散布。
【高温と乾燥の対策】
・開花期以降は十分な水やりを心掛ける。
・開花期に適切な水量の管理で豆の発育を促進。
【長雨と日照不足の対策】
・過湿条件下での病害リスクに対する予防策を施す。
・収穫時期の遅れに備え、適切な時期を見極める。
その他の対策案
今回は気象を中心に対策を見ていきましたが、他にも下記のようなアプローチを検討することができます。
- 耐久性のある品種への切り替え:干ばつや高温に強い作物の導入・開発する。
- 高度な灌漑システム:効率的な水の利用と管理を実現するため、滴下灌漑や雨水貯留システムを導入する。
- 土壌保全策:有機質の多い肥料を使用して土壌の保水力を高める。
- 害虫予防策:生物的防除や適切な農薬の使用により病害虫を管理。
- 災害保険の活用:収穫損失に備えた農業保険への加入。
- 地域農家との連携:情報の共有や共同での対策を行う等の地域コミュニティの形成。
日々の環境変化を的確にとらえ、課題を解決する方法を模索していくことが大切です。
これからの農業
今後も異常気象は農業に大きな影響を与えることに変わりはないかもしれません。
しかし、現代の情報網や、技術、人とのつながりを通じて課題に取り組むことはできると思います。
簡単な事ではないと思いますが、先述したような具体的な対策を行う事で、
リスクを最小限に抑えつつ、安定した農業を目指すことができると思います。
未来の農業が直面する課題に対応するためにも、環境との調和を図りながら、新たな技術や方法を取り入れ、
持続可能な農業を推進することが求められています。
これからの農業を持続可能なものにするために、環境との調和を図りながら、
新たな技術や方法を取り入れていく必要があります。