雑草から土の状態がわかる?!農閑期の土作りのきほん
農閑期における土作りの重要性は、次のシーズンの作物の生育に大きな影響を与えます。この期間は、作物が育っていないため、土壌の回復や改良に最適な時期です。農作業が少なくなる冬場を中心とした農閑期には、土壌の栄養を補充し、病害虫の発生を予防し、作物の健康的な生育環境を整えるために、さまざまな土作りの作業を行うことが推奨されます。この記事では、農閑期に行うべき土作りの手順や、その効果について詳しく解説します。
土壌診断と分析
まず、土作りを始める前に重要なのは、土壌の状態を正確に把握することです。土壌診断を行うことで、土壌のpH、栄養分、微量要素の不足や過剰、排水性や保水性など、土壌の特徴を確認できます。
生えている雑草から土のPhがわかる
簡易的な土壌分析機は安価なものが市販されていますが、実は生えている雑草が土壌のpHの指標になることをご存じでしょうか?
- 土壌pH雑草の種類強酸性(pH4.5〜5.5) スギナ、スズメノテッポウ、白クローバーなど
- 弱酸性(pH5.5〜6.5) カタバミ、アカザ、ギシギシ、オオバコなど
- 微酸性(pH6.5〜7.0) レンゲソウ、ナズナ、コニシキソウなど
- 中性(pH6.5以上) ハコベ、オオイヌフグリ、ホトケノザなど
中性、微酸性の土壌なら野菜は育ちますが、更に酸性度が強くなると栄養が吸収されにくくなったり、野菜の生育が悪くなります。なるべく中性か微酸性に近づけるために、石灰資材や石灰成分を含む草木灰、完熟堆肥を施して、微酸性に近づける必要があります。
有機物の投入
土壌の肥沃度を高めるためには、有機物の投入が欠かせません。農閑期は、腐葉土や堆肥、緑肥などの有機物を大量に土壌に混ぜ込む絶好の時期です。これらの有機物は、土壌中の微生物活動を活発化させ、腐植質を増加させることで、土壌の構造を改善し、栄養素の供給源となります。
堆肥の重要性
堆肥ですが大きく分けて植物性と動物性の堆肥があります。堆肥の目的は、土の微量要素の供給、土の水はけや、水もちを改善し、根の酸素供給を助けるため、作物の根の発育に好影響を与えます。ことが期待できます。
植物性の堆肥の代表は腐葉土です。文字通り枯葉を腐らせたものですが、完熟堆肥と未完熟堆肥に分けられます。
動物性の堆肥は、鶏ふん堆肥、牛ふん堆肥、豚ふん堆肥、馬ふん堆肥があります。
主に未完熟の腐葉土や鶏ふん堆肥、豚ふん堆肥は土の浅い10cmまでのところに施し、完熟腐葉土、牛ふん堆肥、馬ふん堆肥は耕起した土表土から20cmほどのところに施します。
緑肥の利用
緑肥とは、特定の植物を育て、その後土壌に鋤き込むことで土壌の栄養を補う方法です。クローバーやレンゲなどのマメ科植物は、根に窒素固定細菌を持ち、土壌に窒素を供給する働きがあります。これにより、次期に育てる作物の窒素肥料の使用を抑え、環境にも優しい土作りが実現します。
微生物活性の促進
土壌中の微生物は、作物にとって非常に重要な役割を果たしています。微生物は有機物を分解し、作物が吸収しやすい形に変えるだけでなく、土壌の構造改善や病害虫の抑制にも寄与します。農閑期に堆肥や緑肥を投入し、土壌を耕すことで、微生物が活動しやすい環境を整えることができます。
また、微生物の活動を促進するために、特定の菌根菌や乳酸菌などの有益な菌を土壌に添加することも有効です。微生物が添加された土壌改良資材などを利用することが出来ます。これらの菌は、根圏において作物の栄養吸収を助けたり、病原菌から作物を守る働きをします。
病害虫の予防
農閑期は、次の栽培シーズンに向けて病害虫の発生を予防する重要な時期でもあります。特に連作障害を防ぐために、土壌消毒や輪作を検討することが有効です。土壌消毒には太陽熱や薬剤を利用する方法がありますが、自然農法を好む場合には、太陽熱を使った蒸し焼きが推奨されます。
太陽熱消毒は、透明なビニールシートを土壌の上にかけて太陽の熱で土壌を高温にし、病原菌や害虫の卵を死滅させる方法です。薬剤による土壌消毒を行う場合は、農閑期に適切な方法で実施し、次の栽培時期に残留農薬が作物に影響を与えないように注意しましょう。
水はけの改善
土壌の排水性も、農閑期に見直すべきポイントです。水はけが悪い土壌は、根腐れや病害虫の発生を引き起こしやすく、作物の生育に悪影響を与える可能性があります。農閑期には、暗渠排水や表面排水の改善作業を行うことで、次の栽培期に向けた適切な排水環境を整えることができます。特に水田では、冬場に水を抜いて乾田化を進めることで、土壌の通気性を向上させると同時に、有害な病害虫を減少させることが期待できます。
粘土質の土は水はけが悪く水や空気が通りにくく、根の呼吸が妨げられてしまいます。粘土質の土の改善には完熟堆肥を施します。完熟堆肥が入ることで土に隙間が出来、水はけや通気性が改善されます。
逆に砂質が多い土は、水はけが良く通気も良いですが、水と一緒に栄養分も流れ出てしまうため、保水力を良くするために粘土質の土を鋤込むか、堆肥や保肥力のあるバーミキュライトを鋤込みます。
休耕地の管理
農閑期に畑をそのまま放置してしまうと、雑草が繁茂し、害虫や病原菌の温床となる恐れがあります。休耕地の管理も重要で、雑草の除去や、必要に応じてカバークロップ(被覆作物)を植えることで、土壌の健康を保つことができます。
カバークロップは、雑草の抑制や土壌侵食の防止に効果があり、さらに根からの分泌物が土壌を豊かにする効果もあります。例えば、ライ麦やソバなどのカバークロップを植えておくことで、冬の間も土壌が守られ、次の栽培期に良好な状態で使用することができます。
まとめ
農閑期における土作りは、次の作物の生育を左右する重要な作業です。土壌の状態を診断し、有機物の投入、pH調整、微生物活性の促進など、さまざまな手段を駆使して土壌環境を整えることが求められます。このブログが皆様の農業の一助になれば幸いです。
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