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冬にこそ活躍!トラクター用シーダー活用ガイド

冬にこそ活躍!トラクター用シーダー活用ガイド

寒さが厳しくなるこの時期は、畑仕事もひと段落… と思いきや、実は「越冬栽培」の準備や、来春に向けた土づくりなど、やるべきことはたくさんあります。

そこで今回は、冬の畑仕事で大活躍する「トラクター用シーダー」に焦点を当て、その活用方法をご紹介いたします。越冬栽培に適した作物の紹介から、播種以外の意外な活用法、さらに寒冷期の機械管理まで、トラクター用シーダーを徹底的に活用しましょう!

目次

トラクター用シーダー。播種機との違いとは?

ハローシーダー

「シーダー」と聞いてもピンと来ない方もいるかもしれません。
「seed」は英語で種を意味し、「シーダー」は種まき機のこと。日本語では「播種機」と呼ばれることもありますが、機能的にはほとんど同じものと考えてもらって大丈夫です。

トラクター用シーダーは、広大な畑でもスピーディーかつ均一に種をまくことができる点が大きなメリット。人力で操作する小型のシーダーに比べて、作業効率が格段に向上します。

牽引タイプシーダー

トラクターに連結して使用する代表的なシーダーです。
ディスクタイプとシュータイプがあり、種子を一定の間隔で土に播きます。特にディスクタイプは異物が多い圃場でも高精度な条播きが可能。施肥機との組み合わせや、播種後の鎮圧ローラー付きのものもあります。

条播機:
畝を作りながら種をまく機械で、溝切り装置や覆土鎮圧装置が装備されています。施肥と同時に播種が可能で、作物の成長を促進します。

散播機(ブロードキャスター):
種子を広範囲にばら撒くための機械で、特に牧草や穀類の播種に適しています。施肥機と兼用できるものも多く、効率的な作業が可能です。

鎮圧ローラーについて
牽引タイプシーダー(主に穀物用・豆類用)に搭載されていることが多く、ニプロの「搭載型シーダー」「高速汎用播種機」シリーズ、ジョーニシの「サンシーダー」シリーズ、ササキの「ハローシーダー」シリーズなどで特に充実しています。鎮圧ローラーは、播種後の土壌締め固めを行い種子と土壌の密着を促進し、発芽率の向上に貢献します。

冬の畑で差をつける!「越冬栽培」のススメ

搭載型シーダー

「越冬栽培」ってご存知ですか?
秋に種をまき、冬の寒さに当てながら育てる栽培方法のことなんです。

寒さに強い品種を選ぶことで、真冬でも新鮮な野菜を収穫できるだけでなく、病害虫の発生を抑えたり、春先の作業を分散したりできるなど、様々なメリットがあります。

トラクター用シーダーを使えば、広大な畑でも効率的に越冬栽培の準備を進めることができます。

寒さに負けるな!越冬栽培におすすめの作物3選

数ある作物の中でも、越冬栽培に特におすすめの作物を3つご紹介します。

食卓のヒーロー!小麦・大麦を制覇せよ!

パンや麺類、ビールなど、私たちの食生活に欠かせない小麦や大麦。

実は、秋に種をまき、越冬させて翌年の初夏に収穫するのが一般的なんです。小麦・大麦の播種では、土壌水分と播種深度が肝心! 播種前に土壌水分計などで水分量を測定し、乾燥している場合は事前に灌水を行うようにしましょう。

播種深度は、2~3cmが目安です。
浅すぎると鳥害に遭いやすく、深すぎると発芽率が低下してしまうため、適切な深さを保つことが大切です。播種後は、転圧機などでしっかりと鎮圧し、種と土壌を密着させることで、発芽率の向上と鳥害の防止に繋がります。

緑肥のエース!ヘアリーベッチで土づくり革命!

「ヘアリーベッチ」って聞き慣れない名前の植物ですよね。

これは、マメ科の植物で、「ナヨクサフジ」とも呼ばれていて、緑肥として利用されることが多い作物なんです。緑肥とは、土壌にすき込んで肥料にする植物のこと。ヘアリーベッチは、空中窒素を固定する能力が高く、土壌の肥沃化に大きく貢献してくれます。

また、地面を覆うように成長するため、雑草の抑制効果や土壌流亡の防止効果も期待できます。秋に種をまけば、冬の間も地面を緑で覆ってくれるため、凍上害対策としても有効です。

ヘアリーベッチの播種量は、10aあたり2~3kgが目安です。播種深度は1~2cmと比較的浅めで、土壌と軽く混ぜるように播種します。

真冬に採れたて!越冬ホウレンソウで食卓を華やかに!

ほうれん草は、寒さに強い野菜として知られていますが、品種によっては、越冬させて栽培することも可能です。

越冬ほうれん草は、通常のほうれん草よりも甘みが強く、食味が良いのが特徴です。ただし、越冬ほうれん草の栽培は、品種選びが重要になります。

寒さに強い品種を選ぶのはもちろんのこと、地域の気候条件に合った品種を選ぶようにしましょう。地域や品種により異なりますので、説明としてはざっくりとですが、播種は9月下旬から11月中旬頃が目安です。播種量は、10aあたり1.5~2kg程度です。播種深度は1~2cmを目安に、条間を15~20cm程度とって播種します。

越冬ほうれん草は、防寒対策も重要です。トンネル支柱を立ててビニールを被覆したり、不織布をトンネル状にかけたりすることで、寒さや霜から守ることができます。

播種だけじゃない!シーダー活用法

スプリットローラーシーダー

トラクター用シーダーは、播種以外にも、土壌改良材や石灰資材を畑に均一に撒く作業にもってこいです。

肥料や堆肥なども、シーダーを使えば効率的に撒くことができます。また、春先の種まき前に、土の表面を固める「転圧(鎮圧)」という作業にも使えます。

土壌改良材は、土壌の物理性や化学性を改善するために用いられる資材ですが、トラクター用シーダーを使えば、畑全体に均一に散布することができます。

人力で散布するよりも、作業効率が格段に向上するだけでなく、均一に散布することで、土壌改良効果を高めることができます。

石灰資材は、土壌のpHを調整するために用いられる資材です。
石灰資材を散布する方法はいくつかありますが、トラクター用シーダーを使えば、土壌表面に均一に散布することができます。

転圧(鎮圧)とは、土壌の表面をローラーなどで押し固める作業のことです。
転圧を行うことで、土壌の密度を高め、種子の発芽や根の張りを良くする効果があります。春作前にトラクター用シーダーで転圧を行うことで、種まきや苗の定植をスムーズに行うことができます。

長く愛用するための機械管理のポイント

サンシーダー

トラクター用シーダーを長く愛用するためには、適切なメンテナンスが欠かせません。
特に、冬季など、長期間使用しない場合は、以下の点に注意して保管するようにしましょう。

  • 使用後は必ず水洗いを行い、土や泥が付着したまま放置しておくと、錆びや腐食の原因になります。
  • 水洗い後は、水分を完全に拭き取り、金属部分に防錆剤を塗布しましょう。防錆剤は、スプレータイプや塗布タイプなど、様々な種類がありますので、使いやすいものを選びましょう。
  • 屋外に保管する場合は、雨や雪がかからないように、シートなどで覆いましょう。可能であれば、屋内での保管がおすすめです。

まとめ

今回は、トラクター用シーダーの活用方法について、越冬栽培を中心に解説しました。

トラクター用シーダーは、播種だけでなく、土壌改良材や石灰資材の散布、転圧など、様々な用途に活用することができます。

ノウキナビ では各種トラクター用シーダーを取り扱い中です。詳しくはこちらをご覧ください。

冬の間もトラクター用シーダーを有効活用して、来年の豊作に備えましょう!

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