農業計画を立てよう　計画的な農業で成功をつかむためのガイド

地域の気候や土壌条件を理解することは、適切な作物選びや栽培計画を立てる第一歩です。例えば、暖地では冬でも栽培可能な野菜を選ぶことができます。一方、寒冷地では耐寒性のある作物を選ぶことが重要です。また、近年の地球温暖化によって今まで栽培されていなかったものでも栽培が可能となってきたり、逆に栽培に適さない気候となってきているため収穫量が減少したりするようになってきました。教科書通りにいかないのが自然を相手とする農業の特徴ですが、毎年計画を立てて記録し、前年の結果を見てあらたな計画を立てることで風土や地域に合った農業が実現出来ます。農業も作戦を立てて実行することが重要です。

作物ごとの成長期間や必要な管理作業を把握しましょう。また、どの時期に作業量が多くなるのか把握しておくことが必要です。また、繁忙期に作業が滞らないよう労働力の確保も農業の規模によっては重要になります。事前に家族やアルバイト、地域の農業ネットワークを活用して労働力を確保します。

作物によっては連作障害を起こす作物があります。連作障害とは、同じ場所で同じ種類の野菜を繰り返し育てることで、土壌が疲れ、野菜の生育が悪くなる現象です。主な原因は、土壌中の特定の栄養素の偏り、病原菌や害虫の蓄積、そして土壌の物理的構造の変化です。連作障害を起こさないよう作物の特性を知り、土壌管理し、輪作(作付けする土地を計画的に異なる区画へ移動させる)することで連作障害を防ぐことが出来ます。

連作障害が起こりやすい野菜

以下の野菜は、特に連作障害が起こりやすいとされています：

• トマト：土壌の栄養を多く消費し、特有の病害が蓄積しやすい。
• ナス：トマト同様、栄養を多く必要とし、根腐れ病に弱い。
• キュウリ：根が弱く、土壌中の病原菌の影響を受けやすい。
• ジャガイモ：疫病や黒心病などの病害が発生しやすい。
• キャベツ類：土壌病害が蓄積しやすく、成長不良の原因となる。
• エンドウ：根粒菌に依存するため、連作で効果が減少。
• イチゴ：根腐れ病や灰色かび病に弱い。
• ニンジン：根粒線虫の被害が増加しやすい。
• ダイコン：根こぶ病や線虫の被害が増加。
• ピーマン：立枯れ病の原因菌が蓄積しやすい。
• レタス：べと病や根腐れ病のリスクが高まる。
• 小松菜：根こぶ病や黒脚病のリスクが高まる。
• スイカ：線虫被害や根腐れ病に弱い。
• カボチャ：べと病や根腐れ病が問題となることが多い。

種子、肥料、農薬、機械などの資材を事前に計画し、適切なタイミングで準備しましょう。また、灌水設備やハウスの整備も重要です。 年間を通じてどのくらいの設備投資や経費がどのくらいかかるのか試算しておくことも大切です。

農機具の購入ですが、欲しい時にいつでもメーカーにあるとは限りません。例えば1年の中で限られた時期だけに必要な農機具や特殊な農機具は受注生産であったり、メーカーも台数限定して生産をしているものもあります。また、メーカーも生産計画を立てて販売しています。

思い立った時に注文！と思っていたら、今年度中の生産台数終了・・・来期生産まで半年近く待たなくては手に入らないこともございます。そのためにも農機具購入や設備投資への準備は早めに動くことが肝心です。

ノウキナビの農機具通販サイトでは、農業の様々な用途で必要な商品を取り揃えております。ぜひご覧いただき、資材や農機具の調達計画や準備にお役立てください!

日本国内で農業用機械を新たに導入する際に利用できる主な補助金制度がございます。下記の他、各自治体等により独自の補助金を実施しているものもございますので、お住まいの地域で利用できる補助金が無いか調べて利用を検討してみてはいかがでしょうか。

【主な補助金制度】

強い農業・担い手づくり総合支援交付金　　小規模事業者持続化補助金

ものづくり補助金　　　経営発展支援事業　など

農業計画を実行に移すには、デジタルツールやカレンダーの活用が効果的です。

　　• 農業管理アプリ：作業記録や進捗管理が簡単にできるアプリを活用すると便利です。

　　• 天候予測アプリ：天候データをもとに適切な作業タイミングを把握できます。

　　• カレンダー：紙やデジタルで作業予定を可視化し、忘れを防ぎます。

柔軟性を持った計画の大切さ

農業計画を立てる際、最初から完璧を目指す必要はありません。むしろ、自然の影響を受けやすい農業では、柔軟性を持った計画が重要です。不測の事態が起きても、計画に少し手を加えるだけで対応できるようにしておきましょう。