トラクターとの相相性が作業効率を左右する!用途別アタッチメント②~プラウ・ハロー編~

こんにちは、ノウキナビです。
農作業において土壌の状態を整えることは作物の生育を大きく左右する重要な工程です。そこで活躍するのがトラクターに取り付ける様々なアタッチメント。今回は、土を耕す「プラウ」と、耕した土を均す「ハロー」に焦点を当て、それぞれの特徴や役割を詳しく解説いたします。
土を深く耕し眠れる力を呼び覚ます プラウ
プラウは昔ながらの鍬(すき)のように、土を深く掘り起こすためのアタッチメントです。ロータリーよりも深い部分を耕す「深耕作業」に適しており、特に長年の機械作業で固まってしまった「耕盤層」の破壊に力を発揮します。
耕盤層とは?なぜ良くない? 耕盤層とは畑や田んぼで大型機械を使い続けることで、土が押し固められてできる硬い層の事。この層があると水はけの悪化、根の生育不良、病害虫の温床化 などの問題が生じる事があります。
プラウの役割と効果
プラウで深く耕すことで、頑固な耕盤層を破壊し、下の柔らかい土と上の土を混ぜ合わせ、土壌全体の構造を改善します。特に秋にプラウを入れておくと、冬の間に土が凍結・融解を繰り返し、さらに土がほぐれて翌年の作物にとって理想的な環境が整います。
プラウ耕には以下のような効果が期待できます。
- 反転効果:表層の雑草・過剰な養分・病原菌などを下層に埋め込み、新鮮な土を表面に出すことで雑草の発生を抑制し、病害虫のリスクを低減する
- 破砕効果:土壌を砕き、過度な粗さにすることで通気性と排水性を向上させ、作物の根の生育と養分吸収を促進する
- 深耕効果:ロータリーよりも深く耕起できるため硬盤層の破壊や土壌の物理性改善に役立つ
プラウの種類
プラウには作業の目的や圃場の状態に合わせていくつかの種類があります。
発土板(ボトム)プラウ:最も一般的で、湾曲した金属板で土壌を反転させます。作業方法や目的によりワンウェイ・リバーシブル・水田用・深耕用などがあります。ボトムの数や幅で作業幅や耕深が変わり、トラクターの馬力に合わせて選択します。
ディスクプラウ:円盤状のディスクを回転させて土壌を反転させるため、石や根株などの障害物が多い圃場に適しています。PTO駆動でディスクを回転させる駆動式もあり、小型トラクターでも作業が可能です。
チゼルプラウ:爪状のチゼルで土壌を引っかき、粗く砕土します。広い作業幅で効率的な作業が可能ですが、土壌の反転効果は他のプラウに劣ります。通気性や排水性の向上に効果があります。
プラウ耕の注意点
販売している主なメーカー:スガノ農機・ヤンマー・クボタなど

田植え前の代かきや畑の整地に ハロー
ロータリーやプラウで耕した後の田んぼや畑は表面が凸凹になっています。そのままでは雑草が生えやすく田植えや播種作業にも支障が出ます。そこで活躍するのが「ハロー」です。
ハローの役割と効果
ハローは耕うん後の土壌表面を均一に滑らかに整えるためのアタッチメントです。田植え前の代かきや畑の整地に使用され、土を細かく砕きながら、地中の土と表面の土を混ぜ合わせる効果もあります。
ハローの種類
ハローにはいくつかの種類がありそれぞれ特徴が異なります。
ドライブハロー:エンジンの動力でロータリー状の爪を回転させ、細かく土を砕く
ウィングハロー:幅広のウィングで広範囲を均一にならし、大規模な田んぼの代かきに最適
ディスクハロー:皿状の円盤が回転しながら砕土し、しっかりと土をほぐす。
スプリングハロー:弾力のあるスプリングタインが柔らかく土を均し、きめ細かい整地作業が可能
ハローの注意点
販売している主なメーカー:クボタ・ヤンマー・イセキ・三菱マヒンドラ・コバシ・ササキコーポレーション

まとめ
プラウとハローはそれぞれ異なる役割を持ちながら、理想的な土壌環境を作り出すために不可欠なアタッチメントです。プラウによる深耕は土壌の物理性を改善し、作物の根の生育を助けます。ハローによる整地はその後の作業をスムーズにし、作物の均一な生育を促します。
圃場の状態や作業目的に合わせて適切なアタッチメントを選択し、正しく使用することで農地の潜在能力を最大限に引き出し、より効率的で質の高い農作業を実現しましょう。
次回は畝たて機、マルチャーです