田植え機の処分方法|高く買取ってもらうためのコツを農機具屋が伝授
田植機は稲作農家にとって必需品ですが、農業を辞めたり新しい田植機を購入するなどの理由で、古い田植機を処分する場合があります。田植機はかなり大きくて重量もあり、保管するにも場所を取るのでなるべく早く処分したいものです。しかし、田植機はどのようにして処分すればいいのか、知らない人も多いのではないでしょうか。この記事では、田植機の適正な処分方法とともに、得する処分方法もご紹介します。併せて、高く買取してもらうコツも伝授しますので参考にしてください。
田植え機の処分方法4つ|高く買取ってもらうためのコツを農機具屋が解説
田植機の処分方法は4つあるので、以下にご紹介しましょう。
ネットオークションに出す
近年、ネットオークションが盛んになっていますが、中には農機具を出品できるネットオークションもあります。このため、農機具が出品できるネットオークションを探して、田植機を売るのも1つの方法です。ただし、ネットオークションは個人対個人の取引なので、トラブルに注意しなければなりません。
たとえば、送料をどちらが負担するかはっきり決めていなかったり、田植機に故障があったりしてトラブルになることがあります。また、ネットオークションでは、いくらで売れるかわかりません。思った以上に高値で売れる場合もありますが、予想外に安値なることもあります。
農協から買い取ってもらう
田植機は、農協に買い取ってもらうこともできます。しかし、農協に買い取ってもらう場合は、少し買取価格が下がる傾向があります。農協は販路が限定されているため、狭い地域の相場で買取額が決まるためです。
また、買取価格は地域によって差がある場合もあり、あまりおすすめできません。しかも機種によっては買取してもらえなかったり、査定料は無料でも出張費を請求されるといったケースもあるようです。農協では、どこでも売れる人気機種なら喜んで買い取ってくれますが、あまり人気のない機種は買い取ってもらえないようです。
不用品業者からの買取
不用品業者に田植機の買取を依頼すると、自宅まで引き取りに来てくれるので手間がかかりませんが、買取額は安くなる傾向にあります。もしくは、手数料がかかる場合もあります。不用品業者の多くは農機具について詳しくないので、あまり高く査定したがらないのです。なぜなら、よくわからない商品を高く買い取ると赤字になるおそれがあるからです。そのため、できるだけ買取額を低くしようとするので、あまりおすすめできません。
農機販売業者からの買取
農機販売業者の中には中古買取する業者もいますが、すべての業者が買取してくれるわけではありません。しかし、多くの農機中古買取業者は中古農機を販売するルートを持っているので、比較的高値の買取が期待できます。
田植機の買取に必要な作業
田植機を買取に出す前に、調べておかなければならない項目があります。買取の前に、以下の項目を調べてメモしておきましょう。これらの項目が、田植機を査定する基準となります。
というのは、田植機はメーカーや型番、製造年、使用時間数によって査定額が変わるからです。なお、実際の査定時にはこれ以外に、田植機の不具合の有無や傷、汚れなども併せて判定されます。
メーカー
田植機を製造している主なメーカーは、「井関農機(イセキ)」「クボタ」「三菱マヒンドラ農機」「みのる産業」「ヤンマー」などです。田植機の全面か横面に、メーカー名が表示してあるはずなので、調べておきましょう。
型
田植機は型番によって、中古市場で人気がある機種とそうでない機種に分かれます。日本の田植機は海外の中古市場でも人気ですが、やはり型番によって人気度に違いがあります。当然ながら、人気の高い機種のほうが高値で買い取ってもらえます。
購入年
購入してから何年たつかによって、中古市場での価値が変わります。購入した年月日がわかる書類を用意しましょう。購入して間もない製品のほうが、高値になるのは言うまでもありません。
アワーメーター
田植機を何時間使用したかがわかるメーターです。アワーメーターの時間数が少ないほど買取額が高くなります。(アワメータがついていない機種もあります)
田植機を高く売るために
田植機を売るなら、少しでも高く売りたいものです。田植機を高く売るためのコツをお教えしましょう。
人気のメーカー
田植機の人気メーカーは上記に書いた通りです。日本製の田植機は信頼性が高く、故障しにくいので中古市場でも人気があります。そのため、上記の日本製田植機なら高く売ることができます。
きれいに掃除
査定に出す前にきれいに掃除しておきましょう。泥がついたままでは泥の下の様子がわからず、正しく査定されない場合があります。また、汚れたまま査定に出すようでは、普段からきれいに手入れしていないとみなされるおそれがあります。
そうなれば、少なからず査定額にも影響するかもしれません。また、査定士も人間ですから、汚れたまま出された田植機に、高い査定額をつける気にはなれないでしょう。
メンテナンス証明の準備
定期的にメンテナンスをしていた田植機は、それなりに評価され、高値の査定がつきやすくなります。そのため、メンテナンスした際の明細書や領収証などがあれば、準備しておきましょう。メンテナンスしているということは、大切に使ってきた証でもあります。
燃料の補充
査定に出す前に、燃料を補充しておきましょう。査定時に実際に動かしてみるので、燃料が入っていないと動作確認ができません。動作確認はエンジンの始動から実際に田植機を自走させて、一連の田植の操作ができるかどうかを確認します。どこか不具合があれば、その分査定額が減額されることになりますが、念のため査定に出す前に一度走行試験をしてみることをおすすめします。
キズの確認
傷の有無も査定額に影響します。長年使っていれば擦り傷ができるのは仕方がありませんが、何かにぶつけたような大きな目立つ傷があると、査定に響くことがあります。買取業者は買い取った田植機を中古品として転売するため、傷が少ないほうが高く売れるので、査定時に傷があるかどうかをしっかり見られます。
買取時期
同じ田植機を買取に出すのでも、時期によって買取額が違ってきます。田植機を使うのは春先ですから、冬の終わり頃に買取に出すと一番高値がつきます。なぜなら、すぐ田植機が必要な季節になるので、高い需要が見込めるからです。
これに対して、田植えが終わった頃に買取に出すと最安値になります。田植が終わった直後では田植機はほとんど売れず、来年の田植時期まで倉庫で保管しなければなりません。業者はこの保管料の負担も考慮して査定額を減額するため、安値になってしまうのです。
田植機の買取相場
田植機の買取相場は、その製品の状態によるので1台ごとに変わります。以下にいくつか買取の参考例を挙げてみましょう。
クボタ EP67 田植機
買取価格:450,000円
苗箱剤散布、こまきちゃん、施肥機などのオプション付きです。
クボタ SPU450P 田植機
買取価格:200,000円
傷が少なく良品での買取価格です。
ヤンマー VP50 歩行型田植機
買取価格:150,000円
平成15年製造の比較的新しい製品の買取価格です。
三菱 田植機 LV4
買取価格:150,000円
大きな傷がない状態での中古品での価格帯です。
イセキ 田植機 PZ53
買取価格:250,000円
同じく、大きな傷がない状態での中古品での価格帯です。
まとめ
田植機を処分するには、ネットオークションに出す方法や、農協に買い取ってもらう方法、不用品業者に買い取ってもらう方法、農機具販売業者に買い取ってもらう方法などがあります。しかし、どれも高値がつきにくいので、農機具専門の買取業者に買い取ってもらうことをおすすめします。田植機を買取に出す前に、メーカー名、型、購入年、アワーメーターを調べておきましょう。これらは田植機を査定する上で必要なデータです。田植機を高く買い取ってもらうには、査定前にきれいに掃除しておきましょう。また、田植機の需要が高まる田植前に買取に出すと高値がつきます。