【農機具屋が解説】一条刈り vs 二条刈りバインダー:作業効率の違いとは|コンバインとの比較あり
稲刈りの必需品であるバインダーは、
稲を刈り取りつつ束にして結束する農機具です。
最近では、コンバインの普及により使用頻度が減りましたが、
自然乾燥派の農家には欠かせません。
本記事では、バインダーの基本的な使い方から、
よくあるトラブルとその対処法、さらに
一条刈りと二条刈りの違いや選び方について詳しく解説します。
メンテナンス方法や結束不良の防止策もご紹介し、
秋の稲刈りをスムーズに行うためのヒントを提供します。
稲刈りバインダーの基礎知識と役割
バインダーとは?
バインダーは、稲刈りの際に活躍する農機具で、稲を刈り取りながら束にして結束する機能があります。 近年はコンバインの普及で使用頻度が減少していますが、バインダーを使用して自然乾燥させたお米を作る農家の方も多く存在します。 この章では、バインダーの基本的な使い方と役割について解説します。
バインダーの使い方
- 事前準備: 稲刈り前に機械の各部分を確認し、刃の状態や燃料レベルをチェックします。
- 稼働開始: バインダーを始動させ、速度や刈取りの高さを調整して稲を刈り取り、束にして結束します。
- 結束確認: 結束の状態を確認し、万が一不良があれば機械を停止し原因をチェックします。
よくあるトラブルとその対策
エンジンがかからない原因と対処法
バインダーのエンジンが始動しない原因の一つに、長期保管による燃料の劣化が挙げられます。 燃料の放置によりキャブレターが詰まることが多いため、以下の方法で予防しましょう。
- 燃料抜きの習慣化: 作業終了後、燃料タンクからガソリンを抜き取り、エンジンが完全に停止するまで稼働させてシリンダー内の燃料を空にします。
- キャブレターの掃除: 燃料劣化による詰まりを防ぐために、定期的にキャブレターを点検・清掃することが重要です。
結束不良の原因と解決策
- ゴミ除去の頻度を高める: 作業前後には必ず結束部分を点検し、ゴミが溜まっていないか確認します。
- バインダー紐の交換: 劣化した紐は結束力が弱くなるため、定期的に交換しましょう。
農機具屋が思うバインダーについて…
昨今、稲刈りではコンバインで「刈り」と「脱穀」を一度に行い、その後、乾燥機で仕上げるのが主流です。
しかし、自家用米として自然乾燥させた「はぜ掛け」米を好む方も多く、バインダーが活躍しています。
そんなバインダーですが、使用時にエンジンがかからない、結束がうまくできないといったトラブルを経験する方もいるでしょう。
エンジンがかからない原因の一つは、長期間使用しないことによるガソリンの劣化です。
多くの農機具は年に一度しか使われず、特にバインダーは1年間放置されることが多いです。
バインダーの動力源であるガソリンエンジンは、タンクからキャブレターを通じて燃料をシリンダーに送り込みます。
キャブレターに残った燃料が劣化し、詰まりの原因になることがあります。対策として、使用後に燃料を抜くことを習慣化しましょう。
簡単な方法として、タンクから燃料を抜き、エンジンが停止するまで運転するとシリンダー内の燃料も抜けます。
タンクからキャブレターへのコックを閉めて、キャブレターのドレインを開ければ燃料を抜くことができます。燃料劣化を防ぐため、タンクも空にすることをお勧めします。
また、結束不良の主な原因はゴミの詰まりです。ゴミが結束部分に溜まると、結束力が弱まり、うまく束ねられなくなります。
作業前後に結束ホルダーを点検し、以前使用したバインダー紐やゴミを取り除くことが大切です。
余談ですが、バインダーには一条刈りと二条刈りがあり、作業効率はカタログ上で2倍異なるとされています。(後ほど解説)
ただし、実際の作業では、取り回しの手間や隅の刈り残しなどがあり、必ずしも作業時間が半分になるわけではありません。
バインダーの種類と選び方
一条刈りと二条刈りの違い
バインダーには、一条刈りと二条刈りのタイプがあります。一条刈りは一本ずつ刈る方式で、操作がしやすい点が特徴です。 一方、二条刈りは効率が高いですが、田んぼの形状や刈り残しを考慮する必要があります。
- 作業効率の比較: 二条刈りは作業効率が約2倍とされていますが、操作が難しい場合があります。
- 畑の条件に合った選び方: 小規模な田んぼや複雑な地形には一条刈り、大規模な平地では二条刈りがおすすめです。
バインダーのメンテナンス方法
日常メンテナンスの重要性
- 燃料抜きと部品の点検: 燃料を抜き取り、刃やエンジンの部品を点検し、必要に応じて交換・修理を行います。
- 清掃と防錆対策: 汚れや錆が発生しやすいため、作業後は必ず清掃し、錆止めスプレーで保護します。
長期保管時の注意点
長期間保管する際には、燃料を完全に抜き取り、乾燥した場所で保管することが重要です。 また、機械カバーで覆うことで、埃や湿気から機械を保護できます。
おすすめのバインダーモデルと選び方
バインダーは、用途に応じて選び方が異なります。例えば、一条刈りモデルは軽量で操作性が高く、 二条刈りモデルは効率重視の方に向いています。中古モデルも豊富にありますので、自分の作業スタイルに合ったものを選びましょう。