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生ごみを堆肥化させるコンポストの作り方と使い方|メリット・デメリットも必見

生ゴミを堆肥化させるコンポストの作り方と使い方

“生ごみ”を“生きた資源”と捉える見方は、循環型社会の形成において核を成すものです。

そこには排除するものがなく、がむしゃらな一方通行でもない、真に心豊かな社会の姿が見て取れます。

本記事で取り上げる「コンポスト(compost)」は「堆肥」を意味する一方で、もっと高い次元や多様性を内包している言葉です。

コンポストは、環境問題や経済課題の解決への糸口であり、相互利益をもたらすシンプルなアクションでもあります。

以下では、コンポストの特徴や使い方、メリット・デメリット、自作する方法までを明らかにしていきます。

目次

コンポストとは何か―“堆肥・容器・活動”をつなぐ多義語―

コンポストのイメージ

コンポストとは、「堆肥」とそれを作る「容器」、その「活動」をひっくるめた多義語です。コンポストの言葉1つに、モノ・人・社会・環境・取り組みなどの広い領域が含まれています。

コンポストとは、

  • 生ごみなどの有機物を微生物の働きで分解して堆肥にすること
  • 堆肥そのもののこと
  • 堆肥を作る容器のこと
  • 堆肥を有機資源として活用すること(コンポスト事業)

を包括的に意味しています。

コンポストを導入するメリット・デメリット

コンポストのメリット・デメリット


コンポストを生活に取り入れるメリットは大きく、「①生ごみの量が減ること」と「②自家製の肥料が手に入ること」の2つに分けられます。

家庭の生ごみを資源化できれば、以下のような生活・環境の改善を図ることができます。

  • ごみ袋の消費量と代金が節約できる
  • ごみ出しの手間が掛からなくなる
  • 自治体がごみ処理する際の費用と燃料、負担を軽減できる
  • ごみの焼却や埋め立てによる環境への負荷を減らすことができる
  • 自作の堆肥を庭や菜園の肥料として使うことができる
  • 有機肥料で培った安心安全な作物を食べられる
  • 堆肥を有機資源とした持続性の高い農業が実現でき、地力が向上する
  • 循環型でエコロジーな暮らしの実践により、メンタルヘルスを保つことができる
  • 可食部を残さないように工夫するなど、食への意識が高まる

反対にコンポストを作るデメリットとしては、

  • 悪臭や害虫が発生するおそれがある
  • 廃棄物を細かく切り刻んだり、土をかき混ぜたりする手間が掛かる
  • 微生物が分解できない生ごみは容器に入れられない
  • 堆肥が作られるまでに熟成期間が必要となる
  • コンポスト(容器)の種類によっては設置場所が限られる

などが挙げられます。

コンポストの具体的な使い方

次に、コンポスト(容器)で堆肥を作るための一般的な流れを解説します。

ここでは庭の土を掘り、土の中の微生物によって発酵を促す「設置型コンポスト」を例にとって話を進めていきます。

なお、コンポストの種類と注意点をまとめた記事はこちらをご覧ください。

(記事引用元:https://www.tsuchikau.com/compost20200604/

手順1:コンポストの設置

コンポストは日当たりと風通しが良く、水はけも良好な庭や農園の中に設置します。

適切な場所が決まったら、地面に30~50cm程度の穴を掘りましょう。

穴が深くなるほど、土や落ち葉などと混ぜ合いながら多くの堆肥を作ることができます。

容器は、地中に10~15cmほど埋め込まれる形となるように、土で周囲を固定してください。

手順2:容器に落ち葉や生ごみを投入する

容器の底に落ち葉や雑草、もみがらなどを敷いてから生ごみを投入しましょう。

大きな生ごみは細かく切り刻み、全体の水気をよく切っておくか、乾燥させておくようにします。

同量の落ち葉や枯れ草も混ぜ込んでおくと匂いが出にくい上に、これらに付着している細菌が発酵を促進してくれます。

虫が寄らないように、その上から生ごみよりも少ない量の土を被せ、容器のフタを閉じてください。

[コンポストで分解しやすいものの例]

野菜や果物の残りかす、魚や肉類、穀物類(生米を除く)

[コンポストで分解しにくいものの例]

貝殻、魚や肉の骨、果物の種、玉ねぎの外皮、卵の殻、塩分の多いもの、生米

[コンポストに入れてはいけないものの例]

生ごみ以外のもの、腐敗した生ごみ

手順3:中身のかき回しと水分調整

下処理をした生ごみを投入する度に土をかき混ぜ、新鮮な空気を取り込んで堆肥化を促しましょう。

角材や棒でところどころに隙間を作るなどして、通気性を保つようにしてください。

水分量が多い場合は落ち葉や土を追加しますが、乾燥している場合は綺麗な水を注ぎ入れます。

実際に手で触ってみて、中身が少し湿っているぐらいが丁度よい目安です。

手順4:熟成と切り返し

中身が一杯になったら容器を取り外し、上から土やシートを被せて放置しましょう。

堆肥として熟成するまでには夏場で約1ヶ月、冬場は約2~3ヶ月の期間を要します。

熟成期間中も半月に1回程度切り返し(かき回し)を行うと、酸素が行き渡って発酵具合が良くなります。

自作でもっと手軽に!かんたんコンポストの作り方

ダンボールコンポストのイメージ


設置型のコンポストは、一般的な100~200L用であれば3千~1万円ほどで販売されています。

が、もっと簡易かつ低コストで始める場合は、コンポスト(容器)を自作してみましょう。

以下の2種類は設置場所を問わないため、台所や軒先、ベランダなどで作業をすることができます。

段ボールコンポスト

段ボール素材を用いるメリットは、「①通気性が良いこと」と「②生ごみの水分を調節しやすいこと」、「③防臭効果があること」の3点です。

[準備するもの]

  • 段ボール箱(厚手で丈夫なもの)
  • 段ボール板
  • 基材(腐葉土20L+米ぬか2Lなど)
  • 網目状の台(すのこなど)
  • 防虫用ネット
  • 洗濯用ネット
  • ガムテープ
  • 新聞紙

[作り方の手順]

  1. 段ボールをガムテープで組み立て、底に段ボール板や新聞紙を敷いて二重底にする。
  2. 地面に水分が染み込まないよう、通気性の良い網目状の台に段ボールを設置する。
  3. 洗濯用ネットに基材を入れ、中身をほぐし合わせたらネットのチャックを常時閉じておく。
  4. 生ごみをネットに投入し、よくかき混ぜ合わせたら再びネットと段ボールの口を閉め、防虫ネットで覆う。
  5. 生ごみの投入を終え熟成させる場合は、1週間に1回程度、約1Lの水を入れて分解を促進させる。生ごみの形がほとんどなくなり、水を加えても温度が上がらなくなれば熟成完了。

コンポストボトル

コンポストボトルの別名は、ペットボトルコンポスト。

段ボールコンポストよりも小さく、土や基材をほとんど使わないため、よりビギナー向きです。

容器は、ペットボトル(2L)の上部3分の1を切り取って、飲み口をひっくり返すように被せ入れるだけで完成。

底から順に、腐葉土&枯れ葉→生ごみ→腐葉土&枯れ葉→生ごみのように交互に重ね入れ、時折割り箸などでかき混ぜながら満杯にしていきます。

虫が寄り付かないように布や洗濯用ネットを被せ、直射日光を避けて放置してください。

発酵が進むにしたがって、ペットボトルの温度が上昇していくのを触れて確かめることができます。

そのまま熟成させると生ごみの形がわからなくなり、堆肥としての利用が可能となります。

後記

生ごみの量を減らし、生きた堆肥としてふたたび土に循環させるエコ活動・コンポスト。

こうした行動は、損得なしに社会を捉え、他者を尊ぶ姿勢が形になったものだと見ることができます。

ひとむかし前は普通に行われていた堆肥の再利用が、便利さを覚えた現在では多少ネックになってしまうものかもしれません。

“心の癖直し”の一環として、循環型社会においての自己の責任を考えていきたく思います。

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