次世代の農業人材を培う「日本農業技術検定」とは?
農業の知識や技術の習得水準を客観的に測定する「日本農業技術検定」の活用が進んでいるようです。入試で優遇する農業大学校や大学、採用の際に評価に加える農業法人など受検メリットも。
次代の農業を担う人材を育成する検定として注目を集める「日本農業技術検定」とはどんなものか?全国農業新聞の記事を基に解説します。
「日本農業技術検定」とは
「日本農業技術検定」は、農業教育に関わる全国14団体で組織する日本農業技術検定協会(事務局・全国農業会議所)が2007年度から実施しています。農水省と文科省が後援する農業専門の全国統一試験として、現在13年目。
農業高校や農業大学校、農業系大学の学生の学力検定や新規就農促進の支援に活用されているほか、JAの営農指導員、農業法人職員の資質向上のための活用も進んでいます。
農業の知識・技術の客観的な測定結果として入試で優遇する農業大学校や農業系大学、採用時の評価に加える農業法人も出ており、受検メリットにつながっているものと考えられます。
受験者数は?
受検者数は毎年約3万人、これまで延べ約27万人が受検したと言われています。学校などで5人以上がまとまって受検する団体受検も年々増加しており、2018年度では3級で延べ440、2級で同279の農業高校が団体受検に参加しました。これは、全国の農業高校の約7割が実施している計算になります。
農業高校以外でも、農業大学校は42校、農業系大学は20校が参加。JAでの関心も高まり、51のJAが団体受検に参加しました。
また2014年度からは毎年度、優秀団体の表彰も実施。受検者が多い団体や試験成績が優秀な団体を表彰し、関係者の意欲向上につなげています。
検定で農業の基礎知識・技術を“培う”
一般的に、農業系の大学生やJA職員であっても農家出身者でない人は多くいらっしゃいます。JAグループの県組織にも同検定の効用に着目し、組織的に活用するところが出てきました。「検定を活用し、農業の基礎知識・技術を身につけてほしい」と同協会事務局。
協会では、検定の受検を通じて農業界の人材育成に賛同する協賛企業・団体の募集も行っており、現在19の企業・団体が協賛しています。
もちろん、農業の本質的な部分の理解は教科書や検定試験の合否だけで決まるものではありません。ですが、こうした検定試験や資格試験の勉強は、体系的な知識を効率よく学習するのに有効です。それまでのご自身の経歴の中では得られなかった専門分野の基礎知識を身に着ける良い機会ともなりますので、こういった試験制度を積極的に活用してみてはいかがでしょうか?
↓日本農業技術検定の詳細はこちら↓
https://www.nca.or.jp/support/general/kentei/
※2020年2月14日付 全国農業新聞掲載記事から一部引用