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90歳の現役専業農家が農業について考える

皆さんこんにちは。

ノウキナビエンジニアの土屋です。

今回は

前回書いた記事

の続きとして「90歳の現役専業農家が考える農業の未来について」

というテーマでのブログとなります。

前回同様の紹介とはなりますが、私には今年90歳の祖父と祖母がいます。

二人は長野県の田舎で専業農家をしており、22歳の私よりピンピンして
毎日のように種を播き、水をやり、そして野菜を刈り取っています。


写真をみてもらうとわかるように、びっくりするくらいの田舎で見渡す限り山と畑しかありません。

(写真でこれなので実際に行くとさらに田舎です。。)

そんな祖父と祖母に
衰退していると言われる農業業界について話を聞いてみました。
(ここに書かれているのは一個人の意見です。)

目次

農業のやりがいについて

この2人は90歳ながら夏の収穫期は朝の5時ごろから夕方の5時ごろまで仕事をしています。
(朝ご飯と昼ごはんと昼寝、それから休憩を合わせると3時間半くらいは休憩しているので実質働いているのは8時間半くらいでしょうか。
夏の間は土日はありません)
そんな2人は何を思って、90歳になった今でも楽しそうに1日中働いているのか聞いてみました。
私:「なんでそんなに働くの?働いていて楽しい?」
祖父:「考えてもみろ。」
祖父:「自分が種から巻いて毎日手を込めて育てた野菜を誰かが食べてくれる」
祖父:「こんな幸せなことはないだろう!!ハッハ!」
と嬉しそうに笑っていました。

食料自給率の低下について

時事問題などに疎い祖父でも、たまに食料自給率の低下についての記事を見つけると
こんなことを口にします。
「日本人が日本産の米や野菜を食べなくなっているのはかなしい」
これにはロジック的に何か根拠があるものではなく、
ただただ農家として日本で作ったものが国内で消費されないということはとても悲しいようです。
食料自給率が下がった原因は、日本よりも農産物の生産がしやすい気候の国で収穫量が上がっていること。
日本人の食に、小麦粉や畜産物の消費が増え、米類の消費が減ったこと。
などが考えられます。
食料自給率が下がっていくことによって、需要が減り農家の数がさらに減少することも考えられます。
祖父はそんなことを肌で感じ取っているのかもしれません。

農業機械の進歩について

祖父と祖母が農業をしている地域では、大規模な農家さんがたくさんいらっしゃいます。

大規模ってどれくらい大規模なの?と思う方は想像してみてください。

自分の身長より大きいタイヤをつけたトラクターがそこら中を走っています。
なので、走っている乗り物の割合はこんな感じです。

よく走っているのは100馬力くらいのトラクターが多いですが、
稀に200馬力のトラクターなんかを持っている方もいらっしゃいます。

100馬力のトラクターのタイヤだけで自分の身長より大きいのに
200馬力なんて近くでみたらもはや生き物に見えます(笑)

ジョンディアやニューホランドやファーガソン、フェントやクボタなど世界の名だたるトラクターメーカー
が勢ぞろいです。

さらに驚きなのはその金額です。
海外トラクターを100馬力以上でさらにロータリーやブームスプレーヤなんかをつけると
2,000万円を超える物もあるそうです。

そんな機械を10台以上保有している大規模農家もいます。。

このことに対する祖父の考えはこうです。

・今の時代は農業を始めるのにハードルが高すぎる

・今の時代は機械でなんでもできるから便利である

・今の時代は農業を始めるのにハードルが高すぎる

このハードルというのは金銭面を主に指しています。
今の時代に農業を専業として生きていこうと思うと、莫大な費用がかかります。
どんな作物を作るにしろ、土地を借りて(または買って)、高額な機械を揃える必要があるので、
農業をやりたい若者がいても技術的にも金銭的にも簡単には農業を始めることができないのが現状です。

・今の時代は機械でなんでもできるから便利である

祖父や祖母が若い頃は牛や馬に今でいうロータリーを引かせて作業を行っていたそうです。
それに比べて今の時代の農作業で機械にできない作業はほぼありません。
昔は人力で行っていた作業がどんどん機械化されていくことによって、
より少ない人数で、より広くの畑を管理することができるようになりました。

農業従事者の減少について

前回のブログでも書きましたが、農業従事者は
1960年の1175万人に対し、2019年では168万人に減少しています。
ブログの初めでも書いた通り、農家の大規模家により家族でやっている専業農家などの小規模農家は今後さらに減っていくのではないか、と祖父はいいます。
祖父の同世代にも、後継者がいないまま農業をやめてしまう方はとても多いです。

とはいうものの、祖父は若者が農業に参入することに賛成しているわけではありません。
自分が人生のほとんどをかけて続けてきた職業だからこそ農業を厳しさ、過酷さを知っているのです。
私が小さい頃に、「じいちゃんの農業をつぐよ!」と行った時も祖父と祖母は
「こんな厳しいことはやらない方がいいよ」
の一点張りでした。

季節や災害、天気によって野菜の値段は大きく変動するため、
(農家ではどうすることもできません)
年間の出荷額を予想することも難しく、収穫までにかかった種代や
出荷の箱代、その他農業資材や農薬代は持ち出しが必要になります。

大規模農家に土地などが集約していくのは合理的なのかもしれません。

いかがでしたでしょうか?

今回のノウキナビWeb通信はここまでです!
読んでいただきありがとうございました。

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この記事を書いた人

ノウキナビのエンジニアをしています。

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